ロジスティクス大和ハウス工業は10日、同社東京本社で「2024年度 事業施設事業計画説明会」を開いた。同会では同社執行役員建築事業本部長の更科雅俊氏が数ある事業計画の解説を行った。同社が見込む24年度の民間非住宅建設投資額は17兆8500億円。そのうち、建築に充てる投資額は10兆6300億円で前年度比4%増。

▲大和ハウス工業執行役員の更科雅俊氏
更科氏は「物流施設の建設を中心として、引き続き、開発事業を積極的取り組む」と述べた。倉庫・流通施設について「電子商取引化がさらに進み、老朽化した物流倉庫の建て替え需要により、着工、床面積は堅調に推移するはず。24年度、25年度共に前年度比で微増すると予測」と明かした。
同社が重点的に関わるテーマに物流のDXを挙げ、「2024問題に対し、物流施設に入居するテナントと共に課題解決するとの思いで、物流DXに取り組む。現在、DPL平塚で映像とAIを活用し、荷待ちや荷役時間を可視化する実証実験中。これにより、各作業の改善点を見出し、コスト削減も含め、物流の負荷を下げる提案をする」とした。
コールドチェーンの需要にも言及。常温、冷蔵、冷凍の3温度帯に対応可能な物流施設を既存の「DPL大阪舞州」を初め、大阪府の「DPL大阪南港Ⅰ」、埼玉県の「DPL久喜宮代Ⅱ」の計3施設で展開する。テナントや荷主の需要に応えるべく、従来の物流センターを冷蔵倉庫に変えるコンバージョンを積極的に進めていくという。
同社は今年度、米国でマルチテナント型の物流施設の開発をスタート。テキサス州ヒューストンで37万平方メートルの敷地に、延べ床面積12万5000平方メートルの平屋建ての倉庫を開発する。2025年9月の入居開始を予定している。米国での物流施設の開発は同社初となる。
本誌からの、米国以外の海外進出を考えているのかという問いに対しては、「もちろん、進出する意欲はある」としながらも、「まずはヒューストンで基盤を固める。周辺には自動車工場があるので、自動車関連の需要が見込めるほか、近くにはヒューストン宇宙センターもあり、宇宙産業などの機械系の需要も期待できる。海を渡っても、あらゆる物流のニーズに応えていきたい」と語った。
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