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シカ急増、貨物列車を”直撃”

2010年11月17日 (水)

話題シカなどとの貨物列車衝撃事故件数の推移シカの増加による農業被害や交通事故の発生などが社会問題化する中、物流にも影響を与えていることが分かった。

 

日本貨物鉄道(JR貨物)の17日の発表によると、シカなど鳥獣類と貨物鉄道車両の衝撃事故が増加し、今年度上期(4-9月)は前年を大幅に上回る103件が発生した。

 

同社では、衝撃を避けるために気笛吹鳴などを行い、事故防止への取り組みを強化しているものの「有効な対策が見出せず大変苦慮している」という。

 

また、事故発生後は現場で車両点検を行うため、後続列車を含めて遅延の影響が生じ、今年度上期では約700本の列車が遅延。終着時点では8時間程度の遅延に至るケースがあった。

 

特に、鉄道貨物輸送の大動脈である東海道・山陽線では、岐阜県と滋賀県の県境、兵庫県と岡山県の県境付近で集中して発生しており、鉄道の強みである定時性が大きく損なわれ、安定輸送阻害の大きな要因となっている。

 

同社では「今後とも関係自治体、旅客鉄道会社などとの連携を密にし、貨物列車の安定輸送を確保するために有効な対策の確立に向けて努力していく」としている。