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「物流議論」、CLOテーマに徹底議論で24年総括

2024年12月5日 (木)

ロジスティクス本誌LOGISTICS TODAYが野村不動産を招いて最新の物流課題を議論する「第四回物流議論拡大版」が5日開催された。

2024年問題による大きな変革期を総括する今回のイベントでは、いよいよ施行まで秒読み段階を迎えた改正物流効率化法を中心に、特定荷主に課された物流統括管理者(CLO)設置義務化にどのように対応し、それによって物流業界がどう変化するべきか、また、物流プロセスの最適化で目指すべき世界としてフィジカルインターネット構築へ向けた動向などが議論された。

▲フィジカルインターネットセンター(JPIC)事務局長の奥住智洋氏

フィジカルインターネット実現に大きな役割を果たすという観点からCLOについて解説したのは、フィジカルインターネットセンター(JPIC)事務局長の奥住智洋氏。JPICは、18年から内閣府が主導してきた戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)スマート物流サービスの後継組織として行政より機能を継承し、スマート物流サービスの啓蒙活動、物流情報標準ガイドラインの維持・管理などに取り組んできた。フィジカルインターネットにおける、物流および商流データのプラットフォーム構築による業務横断的なデータ連携領域を推進している。フィジカルインターネット構築の意義の普及・拡大に向けた取り組みや、標準化事業の普及とともに、改正法によるCLO体制の社会実装を機に、CLOが主導するフィジカルインターネット実現のサポートにも取り組む。

奥住氏は、CLOを接点とした企業同士の垂直・水平の連携強化が、フィジカルインターネット構築の大きな後押しになるとして、まずはCLOの定義や担うべき役割を明示。持続可能な社会と企業価値の向上に向けてサプライチェーン全体での効率化を経営的視点で実現すべき任務を果たすべきとして、多様で高度な職能が求められるだけに、その社会実装に向けては企業内のみならず企業間の連携などにより、その機能を発揮しやすい環境整備も必要となっている。

JPICは今年度より、「CLO協議会」を発足させ、CLO主導・連携による物流構築に向け環境を整備、具体的な取り組みを推進している。標準化推進やサプライチェーン全域での効率化は個社の取り組みでは実現できないため、物流に携わる多くの関係者がフィジカルインターネット実現に取り組むことが求められている。個別最適化から全体最適化へ、個社利益ではなく、デジタル技術と標準化、垂直統合・水平連携を基盤にした企業価値の向上へ、CLO法制化を契機とした荷主企業の姿勢が問われている状況である。奥住氏は26年のCLO設置義務化に向けて、具体的な対応を進めている企業は現時点で1割程度と分析。企業によって取り組みに温度差がある現状からの前進と変革を訴えた。

なお、この日のイベントでは野村不動産などを交えたパネルディスカッションも開催、より深くCLOと、CLOによって変化する物流の姿の議論もレポートしているので合わせて参照いただきたい。

また6日には、「物流大再編時代」をテーマに24年を総括する討論を行う。多重下請け構造の是正に向けた動きや、下請法の見直し議論など、25年に向けた最新動向を共有する。

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LOGISTICS TODAY編集部
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