行政・団体公正取引委員会は12日、委託先の運送会社に時間外労働の対価を支払わなかったなどとして、住宅設備卸大手「橋本総業」(東京都中央区)に対し、独占禁止法の「確約手続き」に基づく行政処分を行った。橋本総業は不公正と疑われる取引を行わないことを確約して、取り引きの改善を行い、委託先約25社に損失分として3800万円を支払う。
確約手続きは、独禁法違反が疑われる行為を事業者間の合意で早期に解消する行政処分。違反を疑われた事業者が、取引の改善を図り、取引先の損失を回復することを「確約計画」としてまとめて公取委に提出し、計画が妥当なものだと認定されれば、公取委は違反の認定を行わず、調査を終了する。
確約計画を提出した事業者は5年間、計画の履行状況の監視を弁護士などの第三者から受け、計画が履行されない場合、公取委は調査を再開する。
発表によると、橋本総業は遅くとも2017年夏以降、メーカーから仕入れた配管設備などの運搬を委託していた約25の運送事業者に対し、代金の額から「お支払割戻金」として一定割合を差し引いていたほか、長時間労働に対応する割増金を支払っていなかった。また、商品のトラックへの積み込みや荷下ろしなどの配送業務以外の作業を無償で行わせていた。
これらの行為は、荷主と運送事業者間の取り引きルールを定めた「物流特殊指定」に違反する疑いがあり、公取委が調査を行っていた、物流特殊指定による行政処分は初めてとなる。
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