調査・データITセキュリティ事業などを手掛けるソリトンシステムズ(東京都新宿区)は17日、名古屋大学や同大学発ベンチャー、エクセイド(名古屋市中区)と共同で、自動運転の走行を簡易な操作で支援できる新しい遠隔型自動運転システムを開発したと発表した。同システムを使った実証実験を同日から開始した。
現在、全国各地でドライバーの無人化を目指し、公道での自動運転の実証実験が行われているが、現在のレベル2の自動運転では、緊急時や自動運転システムでの対応が難しい走行局面に備え、ドライバーが運転席に乗車することが必要となっている。
また、同乗ドライバーの代わりに遠隔地から自動運転車を制御する遠隔型自動運転システムの開発も進められているが、これまでの遠隔システムでは、遠隔運転方式を採用しているため、実際に対応が必要になったとき、迅速な対応を取りにくいという課題があった。
このため、同社などは、自動運転システムと遠隔システム間の連結性を高め、自動運転システムを一部活用することで、遠隔操作を大幅に簡素化した。
具体的には、運行中の自動運転車がシステム対応できず、支援を要求した場合、遠隔操作者は、車両からの遠隔監視情報と自動運転情報に基づき車両状態を把握して対応を判断し、ボタン操作で判断内容を車両に伝える。自動運転車では車両のセンサー情報と同システムの両面から、自らの自律制御判断によって運行方法を決定し、車両を動かす。これによって、自動運転では対応が難しい路上駐車車両の迂回などもスムーズにできるようになり、レベル2での同乗ドライバーの負担を大きく軽減できる。
さらに、将来的なドライバー無人運行(レベル4)で、自動運転システムの機能が対応できないときも、車両に人が駆け付けずに、遠隔からのアシスト操作で対応できる可能性がある。
実証実験は、愛知県春日井市の高蔵寺ニュータウン内の公道で行われ、自動運転システム「ADENU」搭載の電動カート車の自動走行を、豊田市内に設置した遠隔センターから、遠隔型自動運転システムを使って支援する。
同社は「遠隔アシストに対する自動運転運営事業者のニーズはとりわけ高いと予想される。今後、3者で協力して遠隔型自動運転システムの普及を目指す」などとしている。
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