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プロロジス、旺盛な需要受け古河に新危険物倉庫着工

2025年2月4日 (火)

▲プロロジスのパーク古河7」の起工式でくわ入れをする、三和建設の川口秀夫執行役員(出所:プロロジス)

拠点・施設プロロジス(東京都千代田区)は4日、茨城県古河市で「プロロジスパーク古河7」(以下、古河7)の起工式を執り行なった。

同施設はHAZMAT(危険物)倉庫10棟からなる物流施設で、2万2500平方メートル(6800坪)の敷地に、延床面積1万平方メートル(3000坪)を確保する。施設には泡消火設備を装備し、リチウムイオンバッテリーや化粧品、アルコール類などの危険物の保管に対応可能だ。さらに、奥行5メートルの庇(ひさし)を備え、雨天時の荷下ろし作業もスムーズに行える。

開発地は関東地方のほぼ中央に位置する北利根工業団地内で、国道・高速道路を活用すれば東西南北の主要都市・港・空港まで1時間で到達可能だ。圏央道・五霞インターチェンジ(IC)と境古河ICからは10分の距離にあり、関東全域のみならず東北や関西方面へのアクセスも良好。また、自動車で30分圏内にはJR宇都宮線沿線の住宅地があり、雇用確保にも有利な立地。

▲「古河4」の危険物倉庫で使われている防爆仕様のフォークリフト。内部の電気が発火元にならないよう特殊なタイヤを装備するなどの特別仕様となっている(出所:プロロジス)

また、古河7では「プロロジスパーク古河6」(同、古河6)と同様に導入・入居コストを抑える仕様を採用した。危険物倉庫内部に空調を設置すると、電気部分が発火源とならないようにする防爆仕様変更が必要となるが、当然それにはコストがかかる。このコストを抑えるために空調設備は建物外に設置し、ダクトで温冷風を倉庫内に導く仕組みを採用している。さらに、フォークリフトの格納庫も屋外に配置し、フォークリフト自体を防爆仕様としなくて済むようにすることでコストを低減している。

プロロジスは2016年の「プロロジスパーク古河1」の開発を皮切りに、隣接エリアに6つの物流施設を展開してきた。23年5月に完成した「プロロジスパーク古河4」(古河4)では999平方メートルのHAZMAT倉庫を併設。「古河4」は物流サービスのロジコア(大阪府茨木市)が危険物倉庫全床とドライ倉庫の一部を賃借。生活・衛生品メーカーのアース製薬の物流を担い、可燃性のアルコールを含むエアゾール製品や芳香剤などを危険物倉庫で管理し、それ以外の普通品はドライ倉庫で保管する運用を行っている。

▲プロロジスパーク古河4(出所:プロロジス)

ロジコア第一事業部部長の佐藤竜一氏によると、「普通品倉庫と危険物倉庫が併設されていることでトラックの手配が簡素化され、コストも削減できる」という。また、同様の製品を扱うメーカーからの問い合わせも増えているという。同施設を開発したプロロジス代表取締役社長兼CEOの山田御酒氏によると、「当社にはドラッグストア、EC(電子商取引)など流通や小売りからの問い合わせが増えて」いるといい、製造から卸し、流通、小売りまでの広い範囲でこうした併設施設の需要が高まっていることが伺える。

▲プロロジス山田御酒氏(出所:プロロジス)

また、24年12月には危険物倉庫8棟からなる「古河6」を開発したが、即座に丸和運輸機関(埼玉県吉川市)が入居。「古河4」のドライ倉庫と併用し、通販商材の拠点として活用している。

LIB(リチウムイオンバッテリー)市場の成長に伴い、危険物倉庫への需要は高まる一方で、供給が限られているのが現状だ。危険物倉庫は床面積1000平方メートル以下の平屋建てとする規制があり、ほかの建物との間に広い余地を確保する必要がある。このため、一般的なドライ倉庫のように多層化して賃料を確保することが難しいためだ。

また、これまでは危険物を普通のドライ倉庫に保管しているケースも少なくないが、近年のコンプライアンス意識の高まりにより、法に則って危険物倉庫に保管しようする企業も増え、需要を後押ししている面もある。

バッテリー需要の拡大、コンプライアンス意識の向上、そして物流業界における2024年問題による物流効率化の必要性が高まる中、ドライ倉庫と危険物倉庫を併設した物流施設は、これらの課題を解決する重要な役割を果たすといえる。

施設概要
・名称: プロロジスパーク古河7
・開発地: 茨城県古河市北利根
・敷地面積: 2万2500平方メートル
・延床面積: 1万平方メートル
・構造: 地上1階建て、鉄骨造
・着工予定: 2025年2月
・完成予定: 2026年2月

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