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コカ・ウエスト、SCM抜本改革、新物流ネットワークを構築へ

2010年12月2日 (木)

荷主コカ・コーラウエストは2013年を最終年度とする中期経営計画で、SCM改革を効率化戦略の柱に据える。営業活動と供給活動を一体化したSCMモデルを構築して波動に応じた供給力強化取り組むとともに、在庫適正化によるキャッシュフロー改善、コスト削減による収益力強化につなげる。

 

SCM関連でプランの中核となる「物流プロセスの革新」では、「DCスルー型物流ネットワーク構築」と「自動配送計画の導入による販売配送の効率化」を目指す。DCスルー型物流ネットワークは、DCに在庫を集約することで販売物流拠点の無在庫化を図るもので、2011年に導入準備に着手し、12年に九州地区でのテスト導入を経て関西・中国地区で全面展開、13年には九州地区で全面展開して完成させる計画。

 

同社はこうした計画を実現するため、11年から13年までの3年間で土地・建物・設備などに835億円を投じるプランを策定。単年ごとの投資額は10年の205億円に対し、年平均で278億円に引き上げる。また、全社横断的なバリューチェーン改革を推進するため、ビジネスモデル変革統括部を立ち上げる。

 

こうした構造改革的な取り組みと同時に、供給コストの低減については、(1)資材の減容化・内製化、原材料使用量の削減(2)生産ライン統合、新生産ライン設置、新技術導入による生産設備の高度化(3)連続生産など生産ラインの稼働率の向上――といった施策を進め、コスト削減と生産性向上を図る。

 

これらの取り組みにより、同社全体では10年の営業利益見込額108億円を13年に240億円に拡大したい考えで、このうち物流効率化によって生み出す想定利益が35億円を見込む一方、SCM関連投資の増加に伴う減価償却費の増加がそれを上回る計画としている。