行政・団体国土交通省関東運輸局は1日、伊豆諸島と本土間を結ぶ旅客定期船を運航する東海汽船に対し、労働時間の上限を超えて船員を働かせたり、教育訓練が終了していない船員を乗り組ませたりしていたとして、船員法に基づく是正命令と海上運送法に基づく輸送安全確保命令を出したと発表した。同社は同日、「真摯に受け止め、関係官庁指導のもと、法令順守を徹底し再発防止策を全社で取組む」などとした謝罪コメントをホームページで公表した。
関東運輸局によると、東海汽船は東京-八丈島などの3航路で昨年6月から9月の間、法定労働時間の上限を超え、多くの作業員に業務に当たらせていた。また、長期間にわたり、旅客避難や操船に関する必要な教育や訓練を修了していない従業員を旅客船に乗り込ませていた。
さらに、船長は乗組員に対する非常時の訓練を定められた内容や頻度で実施していなかったうえ、航海日誌には訓練を行ったと虚偽の内容を記載していた。
同局は、同社に労働時間を順守し、訓練や教育を修了していない従業員を乗組員として乗船させないことなどを命令したうえで、30日以内に改善策を報告するよう求めた。
さらに社長以下経営陣は安全管理体制の構築に取り組んでこなかったとして、再発防止策の策定と安全管理規程の徹底、航海日誌の正確な記載などを求め、5月1日までの対策を報告するよう命じた。
同局は「早期に全社的な改善策が講じられ、永続的かつ不可逆的に改善が図られるよう、厳格に指導監督する」としている。
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