拠点・施設シービーアールイー(CBRE)は3日、閉鎖されたパナソニックコネクト佐賀工場(佐賀県鳥栖市)の土地、建屋を、特別目的会社(SPC)を通じて取得し、賃貸工場として開発すると発表した。工場は画像センシング事業を手掛けるi-PROがセキュリティカメラの生産工場として使用する。
佐賀工場は1964年に九州松下電器(現・パナソニックコネクト)の生産拠点として建設され、2022年からはi-PROが北米向けセキュリティカメラの組み立て生産を製造委託していた。昨年10月にパナソニックコネクトが佐賀工場の閉鎖を発表したため、i-PROは今後の生産についてCBREと検討を開始した。
その結果、CBREが投資家の出資を受けてSPCの「鳥栖産業施設」を設立し、工場を整備したうえで、i-PROが賃借し、中核工場としてセキュリティカメラの生産を行うというスキームを策定した。この間、CBREは生産拠点の要件整理と現地調査を実施し、佐賀工場の改修計画の立案や開発スキームを策定。さらに、既存工場の余剰スペースの有効活用の方法も提案した。
その後、CBREの投資用不動産運用部門が、既存工場を取得する事業スキームを構築し、SPCを通じて、用地および既存建屋を取得した。今後の開発段階では、工場の設計・施工の建設プロセスを同社プロジェクトマネジメント部門がサポートする。
同工場は、九州自動車道・鳥栖インターチェンジ(IC)から8.5キロ、九州新幹線・新鳥栖駅から4.1キロと利便性が高く、i-PROでは「工場全体のショールーム化を図り、モノづくりの哲学やユニークネスを伝えていく場にしていく」としている。
今後、両社は9月末までに賃貸契約を結び、新工場は10月に着工、来年3月の完成を予定している。
i-PROでは、新工場でセキュリティカメラ製品300品種を生産するとしており、28年度には月間生産台数4万台を目指す。
敷地面積:4万200平方メートル
延べ床面積:2万9293平方メートル
構造:2階建て、鉄骨造・3階建て、鉄筋コンクリート造
完成:2026年3月(予定)
アクセス:九州自動車道・鳥栖ICから8.5キロ、九州新幹線・新鳥栖駅から4.1キロ