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住宅デバイス機構、自動配送技術など61件無償提供

2025年4月15日 (火)

ロジスティクス住宅デバイス共創機構設立準備室(山梨県笛吹市)は15日、特許出願済みの技術を含む、モビリティ関連の技術およびアイデア全61件を無償で公開・提供すると発表した。同準備室は自動配送の早期実現に向け、主に住宅側の受け取りシステム開発を進めているが、その前提となる自動配送物流システムの発展を促す狙いから、今回、車両関連技術の公開に踏み切った。

無償提供の対象は、公道を走行する車両やロボットに関する技術。アイデア段階から特許出願済みのものまで幅広く含まれる。これらの技術はいずれも既存の車両構造などを参考に考案されており、実際に動作するものとして技術的な裏付けがあるという。日本国内での利用に限り、申請や対価は不要、期間も無期限とする。準備室は、公開技術が新たな研究開発のきっかけとなることを期待している。ただし、既存特許への抵触非保証、利用による損害等への責任は負わないとしている。

▲大型トラック「A5+90 Type009」の外観イメージ

提供技術の一つ、大型トラック「A5+90 Type009」(特許出願中)は、幅広い年齢層に対応する「前乗り階段」(助手席側)や格納式ステップ(運転席側)で乗降性を向上。また、走行中でも利用可能な休息用個室をキャビン後部に設け、ドライバーの休息環境改善を図る。エンジンなど基本構成は従来車と同様とし、メンテナンス性や信頼性は維持した。

大型トラック以外にも、多様な自動配送関連技術が含まれる。中型車両では、道路から住宅へ自動で置き配を行うバンタイプや、既存2トントラックベースの置き配機能付き車両の技術を開発。建築現場向けの「移動倉庫」タイプ、特寸荷物対応やフードデリバリー特化などの小型車両、歩道を走行する小型置き配ロボットの技術も提供対象となる。これらのモビリティは、多様な環境に対応できるよう設計されているという。

▲道路から荷物の置き配を行うバンタイプの自動配送車両

同準備室の主な目的は、自動配送ロボットやドローンなどと連携する「住宅デバイス」の技術開発や調査研究にある。しかし、「自動配送を実現する物流システム(車両含む)が整わないと、住宅側のデバイスだけでは機能しない」との考えから、並行して車両技術の開発にも取り組み、今回の無償公開に至った。物流業界が抱える「2024年問題」やEコマース拡大に伴う配送需要増といった課題に対し、住宅と物流システム双方からのアプローチで、持続可能な宅配サービスの実現を目指す。

今回発表された61件の技術は、今後順次公開される。開発・製造を具体的に検討したい技術があれば、優先的な公開も可能としている。また、同準備室は地上モビリティとは別に、エアモビリティに関する特許技術の無償提供(許可制)も予定している。

▲自動置き配を実現する配送車両のイメージ

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