調査・データ帝国データバンク(TDB)は17日、今年度の企業業績見通しについて、増収増益を見込む企業が2年連続で減少する一方、減収減益を見込む企業は2年連続で増加するとのレポートを公表した。
同社はことし3月17日から31日まで、全国2万6674社を対象に2025年度の業績見通しについて、インターネットを通じたアンケートを実施。1万716社から回答があった。
アンケート結果によると、今年度の業績見通しを「増収増益」と見込む企業は全体の24.6%で昨年度の調査に比べ、1.7ポイント下がった。「減収減益」を見込む企業は21.2%で0.2ポイント増加。「前年並み」は22.1%で0.8ポイントの増加だった。
業種別にみると、増収増益では、官民でのデジタル化投資の加速が期待される「情報サービス」の36.4%が最も高く、次いで「化学品製造」の34.7%、「飲食店」33.6%、「人材派遣・紹介」33.3%などが続いた。
減収減益では、「再生資源卸売」の31.7%が最も高く、次いで「専門商品小売」の28.5%、「鉄鋼・非鉄・鉱業製品卸売」27.0%、「機械製造」25.7%、「建設」25.0%が続いた。
業績見通しを上振れさせる材料を複数回答で尋ねたところ、「個人消費の回復」が34.7%と3年連続で最も高かった。次いで「所得の増加」の23.8%で、「原油・素材価格の動向」22.1%、「人手不足の緩和」21.6%などが2割超で続いた。
業績見通しを下振れさせる材料では、「人手不足の深刻化」が39.0%と4割近くを占め、2年連続でトップだった。次いで、「物価の上昇(インフレ)」が35.1%、「原油・素材価格の動向」33.5%、「個人消費の一段の低迷」32.4%が続いた。「賃金相場の上昇」を下振れ材料として危惧している企業も22.7%と2割を超えた。
同社は、「デジタル化や労働市場の構造変化を背景に成長が期待される業種がある一方、世界経済の減速懸念や資源価格の変動、人手不足といった外部環境の逆風を受けやすい業種では厳しい見通しとなっている」と分析。慎重な見方の広がりは、コロナ禍前の19年度の業績見通しと類似しており、「日本経済を取り巻く不確実性の高まりを示唆している」としている。
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