M&A南海電気鉄道と東京流通センター(東京都大田区、TRC)は30日、次世代モビリティーと貨物鉄道輸送を活用し、東京―大阪間の幹線輸送経路構築、物流効率化を目指す業務提携を1日に合意したと発表した。
両社は高度経済成長期の流通機能と都市機能の低下という社会課題を解決するため、関西圏と関東圏の交通要衝地にそれぞれ一大流通拠点を整備し、半世紀以上にわたり日本の物流機能を支えてきた。TRCは1967年11月の設立以来、都心に近い好立地を生かした都市型物流施設の運営を展開。南海電鉄は2014年7月、大阪府から旧大阪府都市開発の株式譲渡を受け、東大阪・北大阪流通センターの運営を担っている。

▲(左から)「東大阪流通センター」「北大阪流通センター」(出所:東京流通センター)
業務提携では、両社の物流施設をつなぐ輸送経路を設定し、自動運転トラックなどの次世代モビリティーの運行と貨物鉄道輸送との連携施策を共同で推進する。両社は、深刻化するトラックドライバー不足への危機感と、国民生活と経済発展を持続的に支える強靭な物流インフラの構築という使命感を共有している。
北大阪流通センターでは現在、地上6階建て、延床面積18万平方メートルの「北大阪トラックターミナルII期棟」(仮称)を建設中で、26年3月の完成を予定している。また、南海電鉄は東大阪・北大阪流通センターを運営する泉北高速鉄道を25年4月1日に経営統合し、物流機能の強化を図る方針だ。

▲(左から)「東大阪流通センター」「北大阪流通センター」
南海電鉄の西原啓介上席執行役員は「25年4月1日の泉北高速鉄道との経営統合を通じて、両流通センターの競争力強化とサステナブルな公共交通の実現に向けて経営資源を投入していきます。北大阪流通センターの再開発では、公共性の高いトラックターミナル機能を維持しながら、配送センターなどの物流施設を戦略的に集積します。さらに、TRCとの幹線輸送経路の構築により、自動運転トラックをはじめとする次世代モビリティーの拠点として、両流通センターの価値は一層高まることが期待されます」と述べた。
TRCの吉竹宏樹常務取締役は「都心への近接性や物流に特化した周辺環境という立地の強み、そして都市型物流に適した高機能な施設という強みを生かし、多くのテナントの物流効率化に貢献してきました。今後は南海電鉄の大阪の物流施設と連携し、自動運転トラックやダブル連結トラックなどの次世代モビリティーの活用、さらに貨物鉄道輸送との連携により、高速道路だけでなく一般道も含めた自動運転トラック輸送の実現を目指します」と語った。
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