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UPS、1-9月期の国際貨物輸出が6.7%増加

2013年10月28日 (月)

ECUPSが28日に発表した1-9月期業績は、米国のEC取扱量と欧州の輸出取扱量の増加がけん引し、総売上高が前年同期比3.4%増の135億ドルとなった。希薄化後1株当たり利益は1.16ドルで9.4%増加した。

配達した貨物量は4.6%増となる10億個以上となり、1日あたりでは国際輸出(6.7%増)と米国国内(3%)が成長をリードした。同社は「低価格サービスを求める顧客嗜好は世界全域で続いており、国際輸出貨物でのディファードサービスの1日当たり取扱量が11%増加したことにも表れている」としている。

キャッシュフローは、9か月間で16億ドルの設備投資を行い、この投資を差し引いて36億ドルのフリーキャッシュフローを生成。1株当たりほぼ9%増となる総額17億ドルの配当を行うとともに、29億ドルで3300万株の自社株買い戻しを実施した。

米国の小口貨物部門では、営業利益が16%弱増の12億ドル、営業利益率は140ベーシスポイント上昇し、14.4%となった。売上高は5%増の83億ドル。取扱量の増加、効率性の向上、安全性の改善によるコスト削減、1日多い営業日数が業績に寄与した。

米国内の貨物1個あたり売上高は1%増で、基本料金改定による増加は、燃油サーチャージや平均重量の低下、商品、顧客構成の変化によってほぼ相殺された。

1日あたり平均取扱量は、B2CとB2B両方を含むEC関連貨物の増加により2.3%増加した。「ネクストデイ・エア」(翌日配達の航空輸送サービス)の取扱量は書類貨物の減少によって3.3%減少した。

国際小口貨物の1日あたり平均取扱量は6.5%増、売上高は2.5%増の30億ドルとなった。1日あたり平均輸出取扱量は6.7%増加し、欧州がほぼ10%増加した一方でアジアは横ばいだった。米国以外での国内貨物取扱量は、欧州域内とカナダ国内の高成長によって6.3%増加した。

営業利益は4億1700万ドルで、為替変動と燃料費による7500万ドルのマイナス影響により、対前年比で3200万ドル減となった。営業利益率は13.8%。

為替変動の影響を除いた貨物1個あたり輸出売上高は、価格の安いディファードサービスの増加を要因として5.4%減少した。また、燃油サーチャージの低下や、トレードレーンの構成比変化もイールドを圧迫した。

同社はメキシコでサーピスのポートフォリオを拡大してきており、企業がメキシコの生産拠点から米国の顧客に近づくためのサポートを提供。最近では、業界初となる米国発のギャランティつき陸上輸送サービスや、アジア発の海上輸送サービス「プリファードLCL」、メキシコ北部でのリテール事業拡大を発表した。

サプライチェーン・フレート部門の営業利益は7%増加して2億100万ドルとなり、営業利益率は60ベーシスポイント上昇して8.9%となった。売上高は対前年比でわずかに減少して22億5000万ドルとなり、北米の陸上混載・貸切輸送サービスを提供するUPSフレートは増加したが、フォワーディング事業の減少が相殺した。

ディストリビューション事業は、ヘルスケア用のインフラとテクノロジーへの継続的な投資にもかかわらず、営業利益と利益率が改善。ヘルスケアとメールサービスの売上高は増加したが、ハイテク関連の低下が相殺した。

フォワーディング事業は、営業利益と営業利益率がともに上昇した。海上フォワーディング、通関部門の成長とコスト管理策が改善をけん引した。UPSフレートのLTL事業の売上高は、輸送量の増加と価格の上昇により5.5%増加。営業利益率は、賃金・手当ての増加により、わずかに減少した。

■UPSのカート・キューン最高財務責任者(CFO)のコメント
「第3四半期の業績は好調で、予想に沿う結果となった。第4四半期は、大手小売企業の一部はホリデーシーズンを慎重にみているが、インターネット通販では、依然として好調が予想されている。感謝祭の時期が遅くなり、繁忙期が短縮されたことにより、オペレーションに幾分かの課題が生じているが、ホリデーシーズンを成功裡に終わらせるUPSの能力を確信している。従って、通期の調整後希薄化後1株当たり利益として、4.65-4.85ドル、対前年比で3-7%増というガイダンスを据え置く」

■UPSのスコット・デイビス会長兼最高経営責任者(CEO)のコメント
「UPSは、進化し続ける顧客のサプライチェーンでのニーズに応えるため、世界中で機能強化を続けている。顧客が求めるソリューションと、株主の皆が期待するリターンを確実に達成するために、新興国やヘルスケア用のディストリビューション施設、ワールドワイドなリテール輸送モデルの構築などに投資を行っている」