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T2、酒類・飲料の自動運転幹線輸送実証を開始

2025年6月5日 (木)

ロジスティクスT2(東京都千代田区)は5日、都内で会見を開き、同社が開発した自動運転トラックを用い、酒類・飲料業界の物流子会社4社と連携し、関東から関西までの高速道路往復区間で幹線輸送の実証を開始すると発表した。今月9日から11月まで、計16回(8往復)実施する予定という。

同社は2027年にレベル4自動運転トラックによる幹線運行の開始を目標にしている。今回の実証ではドライバーが同乗する、レベル2自動運転トラックを使用する。レベル4に移行すれば、運行がドライバー1人あたり1日片道1運行という制約から解放され、将来的に輸送能力を2倍へ高めることができると見込む。

▲左からサントリーロジスティクス高橋範州社長、サッポログループ物流服部祐樹社長、キリングループロジスティクス小林信弥社長、アサヒロジ兒玉徹夫社長、T2森本成城代表取締役CEO

6月の実証ルートはキリンビール横浜工場からキリンビール神戸工場、アサヒビール吹田工場からアサヒビール茨城工場、サッポロビール千葉工場からサッポロビール大阪物流センター、サントリープロダクツ宇治川工場からサントリー海老名配送センターの間で、自動運転トラックで輸送する。積載物は「アサヒスーパードライ」「キリン一番搾り生ビール」「サッポロ生ビール黒ラベル」「サントリー クラフトボス ラテ」など4社の主力商品を含む。

今回の実証では高速道路の一部区間で貨物積載時の走行ルート、走行リードタイム、物流品質、オペレーションパターンの有効性などを細かく検証する。同社が全体マネジメントと車両を提供し、4社が実証貨物の提供と積載を担う。

会見にはアサヒロジ(墨田区)、キリングループロジスティクス(中野区)、サッポログループ物流(渋谷区)、サントリーロジスティクス(大阪市北区)の4社が同席。今回の実証実験に関して、アサヒロジの兒玉徹夫社長は「輸送力向上のため、モーダルシフトへの取り組みなどの対策をしているが、それだけの対策だと十分とは言えない。今回の実証実験に4社共同で参画し、自動運転の本格稼働に向けた取り組みを推進していきたい」と述べた。

さらに、キリングループロジスティクスの小林信弥社長は「ドライバー不足という社会課題に対して、しっかりと確保しながらも、輸送が継続できるよう、対応していきたい。その思いのもと、今回の実証実験への参加を決めた」とした。

さらに、サッポログループ物流の服部祐樹社長は「今回の実証はまだ、完全な自動化に向けた一つステップだと思う。このスピード感がさらに高まるように、我々4社が一緒に取り組むことで、その後押しができればよいかなと考えている」と述べた。

サントリーロジスティクスの高橋範州社長は「我々が扱うのはビンや缶、ペットボトルなど非常に重量のある液体が中心だ。これらに特化したデータを集積して取り扱えば、次の実証に有用になるはずだ」と期待を込めた。

▲実証実験で使うトラックの前で記念写真

T 2の森本成城代表取締役CEOは「飲料業界は他業界に比べ、輸送量とトラックの運行数が多い。シーズナリティもあり、ドライバーの確保が困難になる可能性が特に高い。商品が届くのが遅れるリスクを避けるためにも、早急に持続可能な輸送体制を構築をすべきと思い、今回実証に至った」と述べた。

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LOGISTICS TODAY編集部
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