調査・データ米市場調査会社のIMARCグループは14日、日本の海上物流市場規模は、2024年に112億1000万ドルに達し、33年には180億9000万ドルにまで拡大するとのレポートを公表した。この間の年平均成長率は4.90%と予測している。
日本は地理的にアジア太平洋地域における戦略的な位置にあり、国際海上貿易ルートの主要国として重要な位置を占めている。また、輸出産業が経済の主力の日本は、特に自動車産業、電子機器、産業機械で、効率的な海上輸送サービスへのニーズが高い。さらに、東南アジアやヨーロッパ、北米との貿易協定やパートナーシップで、二国間貿易の流れが強まっている。
こうした情勢のなか、日本では港湾施設への投資と開発が活発で、特に横浜、神戸、大阪といった大規模港では、より多くの貨物を取り扱い、より大型のコンテナ船を受け入れるために再開発が進められている。
一方、技術革新も日本の海上物流の現場を変えつつあり、港湾や船会社では、貨物の自動処理、船舶管理、サプライチェーン管理といった自動化が徐々に進んでいる。スマートポート化を目指し、IoT(モノのインターネット)、ブロックチェーン、人工知能(AI)といった技術を活用した追跡精度の向上、書類手続きの簡素化、物流業務の透明性向上も図られている。港湾ターミナルではロボットや無人搬送車(AGV)も導入され、荷役作業の迅速化が進んでいる。
環境問題への対応も進んでおり、港湾や船会社では、よりクリーンな燃料の使用、港湾設備の電動化、停泊中の船舶からの排気ガスを最小限に抑えるための陸上電源システムの設置などに取り組み、水素やアンモニアなどの代替燃料を使用する船舶の開発も行われている。さらに、廃棄物の最小化や航路におけるカーボンフットプリントのモニタリングにも注目が集まっている。
日本の海上物流市場の今後については、港湾自動化やデジタル物流インフラ、スマートインフラ統合といった分野への投資がさらに拡大し、低排出ガス輸送やグリーンポートの導入などの環境対策も進むと予測。「全体として、より弾力性が高く、テクノロジーを基盤とした、環境に優しい物流環境へと移行していく」としている。
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