荷主住友ゴム工業は23日、京都大学化学研究所の小川紘樹准教授と共同で、破壊につながるゴム内部構造の分布の違いを3次元的に可視化することに成功したと発表した。ゴムが破壊される際の内部構造の変化を詳細に観察することが可能になり、タイヤの耐摩耗性能向上につながると期待されている。
同社はこれまで、大型放射光研究施設「SPring-8」で、ゴム内部構造を詳細に解析し、低燃費性能や耐摩耗性能に優れたタイヤゴム材料の開発を進めてきた。タイヤゴムの内部構造は、骨格となるポリマー、補強剤のうシリカやカーボンブラック、機能を向上させる添加剤や架橋剤など十数種類以上の材料で構成されている。従来はX線で内部構造を調べていたが、X線では通過した部分の平均情報しか得られず、ゴムを変形させて破壊させても、具体的にどの部分で破壊したのか特定することができなかった。
このため、小川准教授が開発した、ゴム内部構造の分布の違いを3次元的に可視化する新たな計測手法を用いて2023年5月から共同研究を開始。ゴムが破壊されるときの内部の変化の解明を試みた。その結果、ゴムを変形させて破壊させたときの内部構造の変化を三次元的に捉えることに成功し、ポリマーとシリカが部分的に並ぶ特殊な状態に変化し、ゴムの破壊が始まることを明らかにした。
今後、同社では研究成果をゴム材料開発に活用し、耐摩耗性に優れ、安全・環境負荷低減に貢献するタイヤの開発を目指す。今回の研究成果は国際学術誌「Small Structures」に、今月22日付で掲載された。
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