ロジスティクス日新は31日、新幹線を利用した細胞のテスト輸送を実施したと発表した。千代田化工建設、東京海上日動火災保険と3社共同で行った取り組みで、医療分野における輸送品質の向上と迅速な物流サービスの実現を目指す。
各社が専門性を持ち寄り、実運用を想定したテスト項目を定めた。パナソニックの高機能保冷容器「VIXELL」(ビクセル)を利用し、ジェイアール東日本物流(東京都渋谷区)の新幹線による荷物輸送サービス「はこビュン Quick」を活用して新青森駅から東京駅の区間で実施した。神栄テクノロジー(神戸市中央区)の協力も得て、輸送中のデータ分析を進める。

(出所:日新)
テスト輸送は7月1日から2日にかけて実施した。1日は横浜市から東京駅を経由して新青森駅までハンドキャリー輸送を実施。2日は新青森駅から東京駅を経て横浜市まで「はこビュン Quick」とハンドキャリー輸送を組み合わせた。輸送物はヒト骨髄由来間葉系間質細胞で、輸送には「VIXELL Type-S(+15度〜+25度、DRY ICE対応)」を使用した。
医薬品・メディカル分野の輸送は、創薬技術の向上や再生医療の普及に伴い、温度や衝撃など取扱管理を伴う需要が拡大する。一方、労働人口の減少や物流の2024年問題といった課題により輸送時間やコストの増加などの懸念が残る。本実験では新幹線の活用により定時性が確保できるほか、トラック輸送に比べて利便性が高いことが確認できた。これまで保冷トラックや保冷容器を使ったハンドキャリーで多くの時間をかけて少量の荷物を輸送していた案件を、新幹線荷物輸送サービスに置き換えることで担い手不足への対応並びに環境負荷の低減にも寄与する。
3社は、今回のテスト輸送で得られた知見を基に、鉄道輸送に関する規則に準拠した新たな輸送サービスの構築に向けて今後も連携するとしている。
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