ロジスティクス出光興産は3日、兼松と共同で、外航船舶向けに重油とバイオディーゼル燃料「FAME」(フェーム)を混合したバイオ混合燃料の供給を開始したと発表した。外航船舶向けにバイオ混合燃料を供給するのは、国内の石油元売りとして初めての取り組みになる。来年3月までに、国内を含めて5000トンの供給を目指す。
FAMEは使用済み食用油をメタノールと反応させて生成され、軽油と同等の性状を持つ。供給を開始した混合燃料は、従来の船舶燃料と比較して20%の温室効果ガスを削減できる。
今回は、兼松がFAMEを調達し、出光が重油を供給。兼松のグループ会社、兼松油槽(東京都千代田区)の小倉油槽所(北九州市小倉北区)の陸上タンクでブレンドした後、外航船へのバンカリングに向け海上出荷する。

▲兼松油槽の小倉油槽所の陸上タンク(出所:兼松)
海運業界では、国際海事機関(IMO)が温室効果ガス(GHG)削減目標を定めたことなどを契機に、GHG排出量の少ない燃料への転換が急速に進んでいる。このため、出光もバイオ混合燃料の実用化に向け、北海道で内航船舶を対象とした運航試験を2023年から1年間実施した。寒冷地である北海道では、低温のため燃料が固まりやすいなどの課題があったが、バイオ混合燃料を使用しても従来の船舶燃料と同様の設備・運転条件で安定した運航ができることを確認した。
これらの成果を受けて、本格的なバイオ混合燃料の供給を開始した。出光と兼松は、国際的な認証制度による供給体制を構築するため、既にISCC認証を取得している。これによって海運会社にProof of Sustainability(PoS)も発行できる。
今後、出光はバイオ混合燃料の需要動向を見ながら、供給量の増加にも対応可能な同社の海上出荷設備も活用した供給体制への移行を検討していく。さらに、CO2と水素を原料とするe-メタノールの国内供給体制の構築も目指す。
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