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BASC、人材育成に向けたネットワーク発足を発表

2025年10月21日 (火)

産業・一般電池サプライチェーン協議会(BASC)は20日、14日から17日まで幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催された「CEATEC 2025」にブースを出展し、延べ1万7000人の来訪者があったと発表した。ブースでは、カーボンニュートラル社会実現の鍵を握る電池の重要性を広く発信し、官民が協力して人材育成に取り組む「バッテリー先進人材普及ネットワーク」(BATON)の発足発表イベントも行われた。

BASCのブースのテーマは「動かせ。未来を。」で、会員企業70社が参加した。原料の確保や再利用を含め、電池サプライチェーンの全体像を映像や展示物を通じて分かりやすく紹介した。

BATONは蓄電池の製造能力確保に必要な人材の育成・確保を図るため、経済産業省の協力を受け、BASCと電池工業会(BAJ)が中心になって発足した。これまで蓄電池業の人材育成は、蓄電池関連産業が集積する関西エリアの高校や高等専門学校を中心に、「関西蓄電池人材育成等コンソーシアム」が産学官連携による教育プログラムの開発に取り組んできた。こうした取り組みによって、電池教育を実施する高校・高専が30校に拡大するなど一定の成果を上げるなか、関西以外の地域からも教育プログラムの普及を求める声が高まり、全国的なネットワークを構築することになった。

BATON(バトン)は「Battery Advanced Talent Outreach」の略称だが、「次世代につなぐバトン」という意味も込められている。

14日に同ブースで開かれた記者発表イベントには、好田会長や只信一生BAJ会長、早稲田大学の所千晴・創造理工学部長、経済産業省の野原諭・商務情報政策局長が出席。好田会長は、脱炭素社会・デジタル社会実現を支える先進人材育成に取り組むとし、電池サプライチェーン全体で3万人の人材を育成するとの目標を掲げた。

▲記者発表イベントの様子(出所:電池サプライチェーン協議会)

BATONではことし、早稲田大学と連携して協力講座「電池工学概論」を開講。同講座を先行事例として、ほかの大学への展開を目指している。所学部長は「学科を超えて単位を取得できるプログラムとし、さまざまな学生が参加した。各領域のトップによる講演や、先輩社員との語り合い、グループワークなど多彩な形式の授業が行われたが、工場見学では、ものづくりの現場に目を輝かせる学生の姿が見られ、特に印象に残った。学生からも好意的な反応が見られ、好調なスタートを切れた」などと成果を述べた。

このほか、15日には19年にノーベル化学賞を受賞した吉野彰・旭化成名誉フェローとBASC会長代行の只信氏が対談し、リチウムイオン電池の誕生や社会実装の意義などについて語った。

また、16日にはサイエンスアーティスト、市岡元気氏のトークショーも開かれた。市岡氏は電池に関する科学実験を披露しながら、「子供たちが科学に興味を持ってもらい、日本からもっと多くの科学者が生まれてほしい。山の裾野が広がれば、頂点も高くなっていくと考え、科学実験などの動画を公開している」などと話した。

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