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中古車輸出に米関税余波、国内販売シフトが加速

2025年8月25日 (月)

調査・データ車買い取りサービスのハッピーカーズ(神奈川県鎌倉市)が25日発表した調査によると、中古車輸出事業者の9割が「トランプ関税」の影響を実感していることがわかった。関税率上昇による価格競争力の低下や物流コストの増大が直撃し、輸出偏重から国内販売へのシフトを検討する動きが広がっている。

調査は8月に中古車輸出関連事業者219人を対象に実施。「非常に強く感じている」(41.1%)、「ある程度感じている」(49.3%)と回答した割合が大半を占め、特に北米向け輸出で影響が大きい。北米市場は回答者の4割が主要仕向地と答えており、関税による直接的な打撃が鮮明になっている。アジアでは物流網のひっ迫や燃料費高騰、アフリカでは再販価格下落による購買力低下も報告され、影響は世界的に広がっている。

業務上の課題として最も多かったのは「価格設定の難しさ」(43.4%)。関税・為替・物流コストの変動が重なり、収益確保と競争力維持の両立が困難になっている。在庫面でも「回転率低下による保管スペース不足やコスト増」(45.2%)、「資金繰り悪化」(38.8%)が顕在化し、経営を圧迫している。

対応策としては「販売エリアの分散」(44.8%)、「仕入れ価格の調整交渉」(39.7%)、「国内販売へのシフト」(34.3%)が多く選ばれた。実際に「すでに国内販売へシフトしている」(16.9%)、「検討を始めている」(58.5%)と回答した事業者は計75%を超え、輸出一辺倒からの転換が進んでいる。今後の事業構造についても「国内販売が主軸になる」(44.3%)、「輸出が主軸だが国内販売も始める」(47.5%)が大勢を占め、輸出と国内のハイブリッド運用が現実的な選択肢として浮上している。

輸出維持策としては「新たな販路開拓」(42.5%)や「既存市場での深耕」(38.8%)、「為替ヘッジ」(37.4%)が挙げられた。一方、国内市場では「中古車価格の適正化」(48.4%)に加え、フランチャイズ展開などのスケール型販売や資金繰り改善への関心も高い。外的リスクに左右されやすい輸出モデルから、安定性を重視した国内戦略への転換が進むなか、中古車業界は「柔軟な戦略転換期に差しかかっている」としている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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