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航空局、北九州空港滑走路延長で物流拠点化

2025年8月28日 (木)

行政・団体国土交通省航空局は2026年度予算として4213億円(自動車安全特別会計の空港整備勘定)を要求した。前年度予算の3903億円から310億円増となった。空港整備勘定の歳入としては、航空機燃料税収入は406億円、空港使用料収入は2724億円などを見込む。一方、歳出では羽田空港に692億円、一般空港などに802億円を配分する。航空路整備事業には275億円、空港周辺対策事業には15億円を充てる。

北九州空港滑走路延長で国際貨物拠点化

航空局の動きとして注目したいのは北九州空港の滑走路延長事業だ。同空港は国際貨物輸送の拠点機能向上を図るため、滑走路を延長する。現在の滑走路に500メートルを追加し、総延長3000メートルとする計画だ。総事業費は130億円を予定。27年8月末の供用開始を目指す。

北九州空港(出所:国土交通省)

同局は北九州空港の滑走路延長により、大型貨物機の就航を可能にする狙いがある。現在の滑走路長では制約があった国際貨物便の運航拡大を実現する。九州地域の物流ハブ機能を強化し、アジア諸国との貨物輸送ネットワーク構築を促進する意図がある。

成田空港の機能強化に向けた予算要求額は179億円。年間発着回数50万回の実現を目指し、成田国際空港株式会社を通じたB滑走路の延伸、C滑走路の新設、新貨物地区の整備などの推進を支援する。

空港業務の省人化・自動化を推進

先進技術の導入による空港業務の省人化・自動化推進に1億円を要求した。グランドハンドリングや保安検査の生産性向上を目指す。25年に実現予定の空港制限区域内における自動運転レベル4の導入展開を進める。共通インフラ及び運用ルールの改良・改善に向けたレビューを実施する。

(クリックで拡大、出所:国土交通省)

また、空港業務の生産性向上に向け、積付作業の生産性向上について技術開発を含めた検討を継続する。ロボットフレンドリーな作業工程・環境への転換を図る。コンテナロボットによる手荷物積付の自動化や、AI(人工知能)技術を活用した搬送作業の無人化を推進する。

羽田事故踏まえ安全対策強化

空港の脱炭素化推進では82億円を計上した。照明・灯火のLED化や空港車両の電動化を促進する。太陽光発電設備の導入も支援し、空港の再生可能エネルギー拠点化を目指す。羽田空港では航空機衝突事故を踏まえた安全対策を強化する。滑走路状態表示灯を主要空港の対象滑走路に導入し、滑走路誤進入の防止を図る。管制官の疲労管理システムも導入する。

次世代航空モビリティ環境整備

空飛ぶクルマとドローンの運航拡大に向けた環境整備には2億5000万円を投じる。商用運航の拡大を見据え、多様なユースケースに対応した制度整備を進める。バーティポートの効果的配置に関する調査も実施する。

同省は2030年の訪日外国人6000万人達成に向け、空港機能の強化と安全性向上を両立させる方針だ。物流機能の拡充により、人流と物流の双方で国際競争力を高める戦略を描く。

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