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国土交通省令和8年度(2026年度)予算概算要求

港湾局、労働環境改善と自動化技術に重点

2025年8月28日 (木)

行政・団体国土交通省港湾局の26年度予算概算要求額は3156億7300万円で、前年度比19%増となった。公共事業関係の事業費は3549億8400万円(前年度比21%増)を要求した。主要施策の要求額は「国際コンテナ戦略港湾の機能強化」が799億3300万円、「内航フェリー・RORO船ターミナルの機能強化」が137億7900万円、「防災・減災、国土強靱化」が1516億700万円。

港湾運送事業の取引環境改善を新規実施

持続的な経済成長の実現に向けて、港湾局では26年度に複数の新規事業を立ち上げる計画だ。まず港湾運送事業の取引環境改善に向けた調査・検討を新たに開始する。港湾運送事業者の労働者不足が常態化し、一部港湾でサービス提供に影響が生じている現状を受けた措置で、調査では、適正な原価を含めた運賃料金の設定・交渉方法を検討し、労働環境改善や生産性向上の原資確保を目指す。

労働環境改善に向けた取り組みの概要(クリックで拡大、出所:国土交通省)

大規模地震対策における海上輸送支援体制の構築

「大規模地震発生時における防災拠点を活用した海上輸送支援体制構築のための計画策定」にも着手する。大規模地震発生時に、耐震強化岸壁を核とする防災拠点を活用した物資等の海上輸送の実効性を確保するため、海上輸送需要量の把握や海上支援ネットワークの検討を実施し、海上輸送支援体制構築のための計画を策定する。

国際コンテナ戦略港湾の機能強化では、「ヒトを支援するAIターミナル」の整備をさらに推進するため、遠隔操作ガントリークレーンの導入支援を拡充する。労働者人口の減少や高齢化の進行により港湾労働者不足が懸念されるなか、コンテナターミナルにおける労働環境の改善や荷役能力の向上・安定化を図る。管理棟などの遠隔操作室内からガントリークレーンを遠隔操作することで、腰をかがめる操縦姿勢や振動がなくなるといった操作環境の改善、天候などによる作業効率のばらつきの低減を実現する。

内航フェリーターミナルの位置管理システム高度化

内航フェリー・RORO船ターミナルの機能強化では、シャシー・コンテナ位置管理などの高度化支援を拡充する。物流革新緊急パッケージで内航フェリー・RORO船の輸送量・輸送分担率を今後10年程度で倍増する目標が策定されたことを受けた措置だ。ターミナル内のシャシー・コンテナの位置管理が十分になされておらず、ドライバーが引き取りにきたけん引用シャシー・コンテナの探索に時間を要している課題を解決する。入退場管理、損傷確認、位置管理の高度化を支援し、次世代高規格ユニットロードターミナルの形成を推進する。

▲シャシー・コンテナの位置管理等の高度化のイメージ(クリックで拡大、出所:国土交通省)

脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化

港湾の電子化を実現する「サイバーポート」の機能改善や利用促進も図るなど港湾でのDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する。脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化や水素・アンモニアなどの受け入れ環境の整備を図るカーボンニュートラルポート(CNP)の形成、洋上風力発電の導入促進に向けた基盤整備など、港湾のGX(グリーントランスフォーメーション)化にも取り組む。

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