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健康リスクが最も高いのは「運輸・郵便業」

2025年9月3日 (水)

調査・データ産業医サービスを全国展開するドクタートラスト(東京都渋谷区)は2日、昨年度のストレスチェックサービスのデータをもとにした業種別の健康リスクランキングを発表した。総合的に最も健康リスクが高かった業種は「運輸業・郵便業」で、「上司・同僚からのサポート」に乏しい点が、働く人のストレスを高めている可能性があるという。

同社は、法律で実施が定められている職場でのストレスチェックを受託しており、受検結果をもとにした分析結果を公表している。昨年度は1777の企業、団体で約56万人のストレスチェックを行った。

分析結果によると、「仕事の負担・コントロール」リスクと「上司・同僚からのサポート」リスクの2つの指標をかけ合わせた数値で示される「総合健康リスク」で最もリスクが高いとされたのは「運輸・郵便業」で、リスク値は104だった。次いで「医療・福祉」の100、「宿泊業・飲食サービス業」の99が続いた。

リスクが最も低かったのは、「不動産業・物品賃貸業の」の85で、次いで「公務」の86、「情報通信業」の88が続いた。

リスクの高い3業種について同社は、「交代制やシフト勤務など勤務形態によって生活リズムが不規則になりやすく、業務上、人と接する機会の頻度によって心身ともにストレスを感じているのではないか」としている。

「仕事の負担・コントロール」リスクと「上司・同僚からのサポート」リスクをみると、「運輸・郵便業」は「仕事の負担・コントロール」が100で、5番目の高さだったが、「上司・同僚からのサポート」は104で最も高かった。

「仕事の負担・コントロール」リスクは、個人ごとの仕事量の負担と、仕事量をいかにコントロールできているかを見るもので、最も高かったのは「宿泊業・飲食サービス業」の105で、次いで「生活関連サービス業・娯楽業」の104、「医療・福祉」の103が続いた。

「上司・同僚からのサポート」は、職場の上司や同僚とのコミュニケーションがストレスに及ぼす影響を示すもので、上司・同僚からのサポートが不十分な職場は、従業員のメンタルヘルス悪化や生産性の低下、離職率の上昇にもつながる可能性がある。

「運輸業・郵便業」に次いで高かったのは、「製造業」の101、「サービス業」の99で、「運輸業・郵便業」は他の業種と比べやや高い傾向にある。同社は、「運輸業・郵便業」と「製造業」は業務を一人で行うケースが多く、管理職と物理的な距離があることも少なくないことから、サポートの有無が従業員のストレスに影響を与えている可能性があると指摘している。

また、「運輸業・郵便業」は総合健康リスクが最も高かったが、23年度の調査の106から104に改善した。同社は、ドライバーにも時間外労働の上限が適用されることになり、従業員へのサポート体制が強化された結果が表れているのではないかとしている。

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