国際パナマ運河庁は3日、訪日中であるパナマのホセ・ラウル・ムリノ大統領が、太平洋と大西洋を結ぶエネルギー回廊構想の一環として、ガスパイプライン建設プロジェクトを開始すると発表した。同庁のリカルド・バスケス長官や運河問題担当相と共に明らかにしたもので、パナマでの運河関連事業としては最大規模の投資案件の一つになる見込みだ。
パナマ運河庁理事会はすでに事業開始を承認しており、今後は事業者の選定手続きに入る。年内に参入希望企業の予備審査を実施し、対話・協議を経て、2026年第4四半期までに最終的なコンセッション事業者を決定する予定。国際的大手企業の参加も想定されており、透明かつ競争的な入札になるとみられる。
ムリノ大統領によると、同パイプラインの建設段階では年間平均6500人以上の雇用を生み、稼働後は9600人規模に拡大。国家歳入は建設期に年間1億6000バルボア(237億円)、稼働後は150億バルボア(2兆2200億円)超が見込まれる。国民経済への付加価値は建設期に5億9000万バルボア、稼働後は27億バルボアに達すると試算している。
ガスパイプラインは、水資源を消費せずに貨物処理能力を拡大し、パナマを国際物流ハブとして強化する収益多角化戦略の柱と位置づけられる。さらに、運河西岸を縦断する道路整備や、コロサルやテルファーズでのコンテナ積替港建設など、インターモーダル物流拠点の形成も計画されている。
ムリノ大統領は東京での会見で「このパイプラインは、世界経済の中でパナマが戦略的な地位を維持するための賭けであり、国民の発展と運河の持続可能性を確保するものだ」と述べた。
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