国際世界郵便連合(UPU)は8日、UAE・ドバイで同日開幕した第28回万国郵便会議で、首脳級会合「UPUグローバルリーダーズサミット」を開催した。各国の郵政当局や規制当局幹部、郵便事業者のCEO、民間企業の代表らが集まり、2026-29年に向けた戦略と行動計画を議論した。
冒頭で目時政彦事務局長は、デジタル化と市民ニーズの変化を背景に、郵便事業者が従来のサービス提供主体から、国家開発やデジタル包摂、越境EC(電子商取引)の基盤を担う存在へと変革する必要性を強調。「次世代にどのような郵便エコシステムを築くのかが問われている」と述べた。
パネルディスカッションには、スペイン運輸・持続可能モビリティー副大臣、中国国家郵政局長、インド郵政省幹部、オーストリア郵便CEO、オマーン郵便総局長らが登壇。今後はECとデジタル化の拡大が中核となるとし、郵便の信頼性を生かして金融・物流・通信など新サービスに展開できると指摘した。民間企業との連携が変革加速の鍵になるとの認識も共有された。
続くセッションでは、UAEの7Xグループとアマゾンによる「クイックコマース」の取り組みを紹介。物流網を活用したダークストアからの超高速配送は、公共政策と民間の機動力を融合した成功例とされ、公共と民間の協働が国家戦略に沿った信頼基盤を築いたと説明された。
最終パネルでは、ブラジル通信省副大臣、米郵政規制委員会、モンゴル郵便CEO、国際郵便会社(IPC)CEOが登壇し、中小事業者(MSME)の支援が成長の鍵と発言。政府政策との連動や柔軟な規制環境が、イノベーションと普遍的サービスの財務的持続性を両立させると述べた。
UPUは今後、国際輸送ルートの整備や各国ネットワーク間の格差是正、民間を含む業界標準の共有を推進する役割を担う。万国郵便会議は19日まで続き、各国の利害を調整しつつ、今後4年間の具体的な行動計画を決定する。
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