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大成建設、自動倉庫用制震装置を医薬会社に納入

2014年1月15日 (水)

メディカル大成建設は14日、自社開発の自動倉庫用制震ユニットを稼働中の大手医薬品メーカーの自動倉庫に納入した、と発表した。

この制震ユニットは自動倉庫のラック最上部に設置するもので、揺れに応じてユニット内の重りが動く仕組みとなっている。重りにつながっているオイルダンパーが揺れのエネルギーを吸収しつつ、重りが揺れを打ち消す方向に動くことにより、地震時の揺れを半減できる。

施工性にも優れ、装置を設置する一部のラック以外は荷物を収納したままの状態で取り付けが可能。

東日本大震災では、荷物の落下が原因で自動倉庫内の搬送用部品が破損し、商品の保管・発送が長期間不可能となる事案が多発したため、地震対策の関心が高まった経緯がある。これを受け、同社は2012年12月にこの制震ユニットを開発し、新築の自動倉庫へ13年6月に納入した。

稼働中の自動倉庫への納入は今回が初めてで、今後も稼働中の大手医薬品メーカーの物流倉庫に導入することが決まっており、13年度中に合わせて5施設への納入が完了する。

ユニットの設置に際しては、計画段階で地盤調査、振動解析など制震検討シミュレーションにより最適な設置台数の検討を入念に行うため、最低限のユニット設置で震度6弱の地震でも自動倉庫ラックの荷物落下を抑え、長時間の稼働停止を防ぐことができるという。

さらに、簡素な仕組みと簡便な工法で低コスト化を実現するとともに、倉庫の稼働を妨げずに短期間で設置できることから、稼働中の自動倉庫のリニューアルに適している。

同社では「ユニットの適応範囲は、食品や部品メーカーなど、ますます拡大していくと考えられる。また、冷凍自動倉庫など特殊環境への適用要望も増えてきているため、今後こうしたニーズを視野に入れた開発にも着手し、自動倉庫制震ユニットに関する積極的な展開を進めていく」としている。