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日本郵便、車両停止1万3900日車も「配送網は維持」

2025年10月1日 (水)

行政・団体日本郵便(東京都千代田区)は1日、点呼業務の不備を理由に国土交通省から受けた貨物軽自動車運送事業に関する行政処分について記者会見を開いた。会見では小池信也社長が説明を行い、五味儀裕執行役員が補足した。冒頭、小池社長は一連の問題について陳謝。その上で、代替輸送手段の確保により「郵便やゆうパックなどのサービスを安定的に提供できる」との見解を示し、配送網の維持に全力を挙げる姿勢を強調した。

▲記者会見で説明する日本郵便の小池信也社長

今回の処分は、9月3日に処分内容の通知書を受領した全国111の郵便局が対象。10月8日から順次、延べ188台の軽バンの使用が一定期間停止される。処分期間は違反の程度に応じて異なり、最短で15日間、最長では160日間に及ぶ。車両停止となる台数と日数を掛け合わせて算出する停止日車数は、延べ1万3910日車。同社は最初に通知書を受領した9月3日以降も毎週100局のペースで通知書を受領し、9月末現在で通知書を受領した郵便局は全国440局に上る。今後も継続的に通知書を受領するとみられ、社内調査で不備が確認された2391局の大半に対し、2026年2月頃まで通知と処分の確定が続くとみられる。

▲日本郵便の五味儀裕執行役員

小池社長は会見で、サービス維持に向けた具体的な対策を説明した。処分対象の車両が使えなくなることによる輸送力の低下に対しては、他の運送会社への外部委託を基本とする。それに加え、処分の対象とならない自社の軽バンや二輪車を活用するほか、近隣の郵便局からの応援体制を構築することで対応する。すでに佐川急便や西濃運輸といった大手運送会社、日本郵政グループが出資をしている配送マッチングプラットフォームのCBcloud(シービークラウド、同)などへ協力を要請。これらの対策を組み合わせたシミュレーションを重ねてきたという。年末年始の繁忙期には取扱量が平時の1.5倍程度になると想定しているが、「オペレーションの確保にはおおむねめどが立っており、繁忙期も乗り越えられる」と自信を見せた。

業績への影響については、通期の決算見通しは現在精査中とした。先の一般貨物事業の許可取り消しに伴う外部委託費として、すでに65億円の費用増を見込んでいる。今回の軽バンの処分による追加の委託費用については、今後全ての処分が確定した後に精査する方針。また、事業許可取り消しにより業務がなくなったトラックのドライバーについては、希望を確認の上で軽バンのドライバーや郵便局の屋内作業へ配置転換を進めており、会社都合での退職勧奨は実施していないと述べた。再発防止策としては、9月1日付で本社に安全推進部を新設し、ガバナンス体制を強化。点呼業務のデジタル化なども進め、信頼回復に全力で取り組むとしている。

日本郵便111局に車両停止処分、軽バン188台が対象

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