イベントLOGISTICS TODAYとX Mile(クロスマイル、東京都新宿区)は8日、都内で大型カンファレンス「物流DX未来会議2025」を共催した。セッション「コスト高騰時代を勝ち抜く!物流企業の利益体質を強化する予実管理DX」では、ログラス(港区)でLoglass人員計画の事業責任者を務める玉川治宏氏が登壇。変化の激しい時代を勝ち抜くための経営管理手法を解説した。

▲ログラスの玉川治宏氏
玉川氏は冒頭、物流業界が直面する厳しい経営環境を指摘した。燃料費や人件費の高騰に加え、自動化や環境対応への新たな投資も求められ、コスト構造が過去にないレベルで変化していると言及する。このような状況下で、多くの企業が依然としてExcel(エクセル)を主体としたアナログな予実管理に依存している実態に警鐘を鳴らした。「各部署からファイルを集計する作業に時間がかかり、経営状況をリアルタイムで把握できない。意思決定の遅れにつながる」と、リアルタイム性の欠如を課題として挙げた。
さらに玉川氏は、Excel管理に潜むデータの信頼性の問題も指摘する。手作業による集計ミスや担当者によるフォーマットの変更、関数の破損などがデータの品質を低下させ、誤った意思決定を招くリスクをはらむ。拠点別や荷主別といった多角的な分析にも膨大な手間がかかり、外部環境の変化に応じた柔軟なシミュレーションも困難だとし、「変化の激しい時代において、経営の非効率化とリスク増大を招く深刻な問題だ」と強調した。
これらの課題を解決する手段として、玉川氏はクラウド経営管理システム「Loglass」を紹介。社内に散在する会計、販売、人事などのデータを一元化し、「管理会計のデータベース」を構築する。これにより、拠点別、車両別、荷主別といったさまざまな切り口で損益状況を瞬時に可視化できる。導入事例として、従来2時間かかっていた予実管理作業が5分に短縮、あるいは1日を要した作業が1時間に短縮された効果を紹介した。玉川氏は「アナログな管理から脱却し、DX(デジタルトランスフォーメーション)を通じて迅速かつ正確な意思決定ができる経営体制を構築することが、企業の利益体質強化に直接貢献する」と述べ、講演を締めくくった。
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