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世界の自動運転車市場、33年には4倍規模に拡大

2025年10月9日 (木)

調査・データインドの市場調査会社アステュート・アナリティカは7日、世界の自動運転車市場は2024年の1702億2000万ドルから、33年には6686億4000万ドルへと4倍規模にまで拡大するとのレポートを公表した。この間の年平均成長率(CAGR)は17.63%を見込んでいる。

レポートによると、自動運転産業はAI(人工知能)や機械学習などの中核技術の進歩に支えられている。センサー技術も著しい進歩を遂げており、カメラやLiDAR(ライダー)、レーダー、超音波センサーが車両に搭載され、周囲の状況を正確に認識できるようになった。これらのセンサーは、物体検知、車線追跡、アダプティブ・クルーズ・コントロールといった機能を可能にし、安全な自律走行に不可欠な技術となっている。また、自動車用イーサネットと5Gネットワークも、車内や車両とインフラ間のデータ伝送に革命をもたらし、自動運転でリアルタイムに意思決定するための基盤となっている。

同市場の拡大要因の一つは安全性で、自動運転システムは交通事故の削減に貢献すると期待されている。共有型モビリティや輸送サービスも市場の拡大を牽引しており、自動運転シャトルやロボタクシー、無人配送車両などの普及が、渋滞や汚染が深刻な都市で進んでいる。

持続可能な交通手段に対するニーズも高まっており、世界各国の政府は、補助金や税制優遇措置、スマートインフラへの投資を通じて、電気自動車や自動運転車の導入を促進している。

地域別に見ると北米は、主要なテクノロジー企業や自動車メーカーがあり、広範な研究開発、有利な規制環境で、今後も市場で主導的な地位を維持すると予想される。米国各地の都市におけるパイロットプロジェクトや自動運転車両の早期導入によって業界の先駆者としての立場を揺るぎないものにしている。

欧州も主要市場であり、ドイツや英国、フランスなどの国々が自動運転車導入の先駆けとなっている。強力な規制支援、高度道路交通システムへの多額の投資、高級車に自動運転機能を統合する高級自動車メーカーの存在が特徴となっている。

アジア太平洋地域は中国、日本、韓国を中心に最も急速な成長が見込まれる。これらの国々はスマートシティインフラ、5G導入、電気自動車開発に巨額の投資を行っている。特に中国は、イノベーションへの強い注力、政府主導の政策、自律移動システムの大規模実証試験により、市場のけん引役となりつつある。東南アジアやインドの新興市場も、インフラ開発が加速する中で将来の成長可能性を秘めている。

業界別では、物流が最も有望な分野で、無人トラックや配送ドローンは人件費削減や効率向上、ドライバー不足の解消を通じてサプライチェーンに変革をもたらすとみられる。医療と救急対応も、自動運転が変革をもたらす可能性のある分野で、無人救急車や自動医療物資配送システムは、緊急時の対応時間を劇的に改善し、人命を救う可能性がある。

技術的には、自動運転とスマートシティ構想の統合が、さらなる成長をもたらすと期待される。世界中の都市が、スマート信号機や自動運転車専用レーン、リアルタイム交通管理システムといった接続型インフラに投資しており、これらの投資は自動運転車の導入を支援するだけでなく、都市の効率性と持続可能性を向上させる。さらに、ソフトウエア定義車両(SDV)の開発が進むと、システムやソフトウエアの開発会社が高度なアプリケーションのほか、無線更新(OTA)、AI駆動型サービスなどに参入する機会が増える。自動車メーカーとテクノロジー企業の提携は増加すると見込まれ、自動車工学と最先端デジタルシステムの融合が図られる。

同社は「自動運転は将来のモビリティーの基盤となる。2033年までに自動運転技術は乗用車、商用車、産業用車両に広く導入され、世界中の交通システムを変革する。新たなビジネスモデルの創出を促し、交通渋滞を緩和し、CO2の排出量を削減するだろう」としている。

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