調査・データグローバルインフォメーション(川崎市麻生区)は22日、世界の海上貨物輸送市場の動向をまとめた、市場調査会社グローバル・インダストリー・アナリスト(米国)のレポート「海上貨物輸送の世界市場」の販売を開始した。同市場の規模は2024年の3704億ドルから年平均2.6%成長し、30年には4325億ドルにまで拡大するとしている。
レポートによると、世界の海上貨物輸送市場は世界貿易の回復やEC(電子商取引)出荷の増加、インフラの近代化などによって規模を拡大している。今後、経済活動が正常化し、パンデミック後の産業需要が加速するにつれて、海上貨物量はほとんどの商品で増加すると予想される。また、各国政府や多国間機関による、港湾のデジタル化や複合一貫輸送、海上接続への投資も市場の成長に寄与する。
貿易面では、これまでサプライチェーンの中心は中国だったが、最近は東南アジアやインド、ラテンアメリカの台頭で貿易の流れが多様化し、新たな航路や港湾提携、地域フィーダーネットワークの開発が進んでいる。新興国でのエネルギー商品や液化天然ガス(LNG)需要の高まりは、タンカーやばら積み貨物船の需要をさらに押し上げている。
持続可能性を追求する世界的な流れも、低排出ガス船の開発やグリーン海運回廊の推進、船舶電化への新たな投資を後押ししており、市場拡大の要因の一つとなっている。脱炭素化が戦略的目標になるにつれ、海上貨物輸送業者は造船所やエンジンメーカー、港湾管理者などと協力し、省エネ技術、代替燃料、炭素回収システムの導入に取り組んでいる。
市場規模を分野別でみると、コンテナ輸送は30年までのCAGR(年平均成長率)が2.0%となり、30年には2799億ドルに達すると予測される。非コンテナ輸送セグメントの成長率は、CAGR3.9%と推定した。
地域別にみると、24年の米国の市場規模は1009億ドルで、現在世界第2位の経済大国、中国は30年までに829億ドルの市場規模に達すると予測される。この間のCAGRは4.9%を見込んでいる。
そのほか、日本の同期間のCAGRは1.0%で、カナダも1.9%と予測されている。欧州では、ドイツがCAGR 1.4%で成長すると予測した。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。
LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com
LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。
ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。