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海上貨物輸送市場は2032年までに186億ドルに成長

2024年11月28日 (木)

調査・データ米市場調査会社のリポートオーシャンは27日、世界の海上貨物輸送市場は2023年の134億ドルから、32年には185億9000万ドルに成長するとしたレポートを公表した。この間の成長率は年平均3.71%となる。

同社によると、世界中の経済の統合が進むなか、貨物輸送では、効率的で信頼性の高い海運サービスへの需要が急増すると予想される。船舶輸送は大量の貨物を一度に運べるため、陸路や空路に比べ1トンあたりの輸送コストが最も安い。環境への影響も少なく、経済的で効率的な長距離輸送手段として好まれている。特に石油やガス、鉱物、農産物など、大陸をまたがるバルク商品の輸送ニーズの高まりが海上輸送の需要を押し上げている。

一方で、貨物海運業界には、燃料価格の変動や地政学的緊張、世界的な景気後退などへの懸念もある。また、CO2排出量削減を目的とした国際的な規制を順守するための取り組みも求められている。

こうした課題に対応するため、貨物海運各社は、船隊の近代化や航路の最適化、テクノロジー・プロバイダーとの提携といった戦略的手段を採用する傾向を強めるとともに、サービスの信頼性と顧客満足度の向上にも取り組んでいる。

地域別にみると、アジア太平洋やラテンアメリカ、アフリカの新興市場は、貨物輸送市場の拡大に大きく貢献している。中国、インド、ブラジルなどの国々では、港湾施設の拡張や物流ネットワークへの投資など大幅なインフラ整備が行われており、貨物輸送量の増加への対応と地域の経済成長を図るうえで、重要な役割を果たしている。

また、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)や包括的・先進的環太平洋経済連携協定(CPTPP)など、貿易協定や地域協力の改善に向けたルール作りは、税関手続きの簡素化や貿易障壁の削減につながり、海上貨物輸送をさらに後押しすると期待されている。

今後32年に向けては、LNG燃料船や電気船が広く採用されるようになり、世界の貨物海運市場は大きく変化すると予想。IoTの統合やリアルタイム追跡システムの強化などデジタル変革の取り組みが標準化され、貨物輸送業務の透明性と効率性が高まるとした。

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LOGISTICS TODAY編集部
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