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兵機海運が通期下方修正、鉄鋼需要低迷で減益続く

2025年10月30日 (木)

財務・人事兵機海運は30日、2026年3月期の通期業績予想を下方修正した。前回予想から、売上高を5億円減の135億円に、営業利益を1億7000万円減の4億1000万円に、経常利益を1億6000万円減の4億7000万円に、最終利益を8000万円減の3億6000万円にそれぞれ引き下げる。

内航事業の主力である鉄鋼製品が、建設需要の低迷や輸入鋼材の影響など背景とした国内メーカー各社の出荷調整が当面続く見込みでありことや、外航事業での中国向け貨物の取り扱いが期初想定を下まわる見込みでありことから、下方修正となった。

同日発表した第2四半期非連結決算は、売上高が前年同期比3.0%減の66億4600万円、営業利益が同46.1%減の2億2000万円、最終利益が42.2%減の1億7800万円と減収減益だった。

主力の海運事業では、鉄鋼製品の国内需要が低迷し輸送量が伸び悩んだ。海上運賃改定により売上は前年並みを維持したものの、傭船費や燃料費の増加が響き、営業利益は減少。1月に資本業務提携を締結した大和工業・ヤマトスチールとは、8月から新造内航船の運航管理を開始するなど関係強化を進めたが、採算面では厳しい状況が続く。内航事業の売上高は1.7%増の34億300万円、営業利益は44.4%減の9700万円だった。

外航事業は、韓国・台湾向け航路が堅調だった一方、中国経由の中央アジア向け建機貨物が振るわず、売上高は48.6%減の4億800万円、営業利益は27.0%減の4100万円にとどまった。

港運・倉庫事業は全体として堅調だった。港運では、神戸港に加え横浜港での通関業務拡大や、北米向けインフラ貨物の取り扱い増が寄与し、売上高は7.8%増の19億9100万円、営業利益は46.7%増の5900万円を確保。倉庫事業では、ODA貨物の輸出作業や大型特殊貨物の受注が収益に貢献し、営業損益は100万円の赤字から黒字転換した。

一方で、原価や一般管理費の上昇に対する価格転嫁が追いつかず、全体としてはコスト圧力が続く見通し。同社は今後、港湾・倉庫部門の高付加価値化と、内航輸送の効率化による収益改善を図るとしている。

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