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イトーキ、自動倉庫のAI異常検知システムを開発

2025年11月5日 (水)

サービス・商品イトーキは5日、日本オラクル(東京都港区)の「Oracle Autonomous AI Database」と「Oracle Cloud Infrastructure(OCI) Data Science」を基盤にし、自動物流倉庫の稼働データをAI(人工知能)が解析して故障の兆候を事前に把握する予知保全システム「スマートメンテナンス」を開発したと発表した。保守サービス「ITOKIアドバンスドメンテナンス」として、2026年1月に発売する。

人手不足に対応するため、物流業界は自動化や省人化を進めているが、突発的な設備停止への対応が課題となっている。このため、同社はOracle Autonomous AI DatabaseとOCI Data Scienceを基盤に、各機器に取り付けたセンサーや制御装置から収集した稼働データをAIによる異常検知アルゴリズムが判断し、設備の状態や故障の兆候を把握・検知する「予知保全システム」を開発した。これによって、ダウンタイムの発生を軽減しながら、計画的にメンテナンスを行える。現場に行かずに遠隔で状況把握・復旧を支援できる「リモートメンテナンス」とセットにして、保守サービス「ITOKIアドバンスドメンテナンス」として販売することにした。

ITOKIアドバンスドメンテナンスは、イトーキのシャトル式自動倉庫「システマストリーマー SAS-R」に搭載可能な保守サービスプランとして提供される。予知保全システムが収集する稼働データには、稼働時間、動作回数、動作距離などが含まれ、これらを蓄積・表示することで、設備の状態を継続的に監視できる。直感的なUIで専門知識のない現場担当者も稼働状況を理解できる。

▲予知保全システムの全体像(クリックで拡大、出所:イトーキ)

こうしたデータの可視化によって、従来の保守点検では対応しきれなかった突発故障のリスク軽減や、計画的で的確なメンテナンスが可能になる。

また、センサーやモーターから収集した稼働データによってAIが故障の兆候を検知すると、システムが自動で入庫制限し、出庫のみを継続稼働させることで、システム全体への影響を局所化し、稼働停止の連鎖を防ぐ。これにより、物流現場における突発的なダウンタイムを最小限に抑え、安定した運用を維持できる。

リモートメンテナンスは、外部から稼働データやログを収集して設備の状態を遠隔で確認できる機能で、現場に赴かなくても、制御盤の画面操作や一部のソフトウエア更新ができる。これによって保守員の派遣頻度を減らすとともに、人的負荷の軽減とメンテナンス効率の向上を図れる。

同社では当面、ステマストリーマー SAS-Rの保守サービスプランとしてシステムを提供し、他の物流設備や関連分野への応用も検討していく。

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