イベントLOGISTICS TODAYが7日に開催した物流イベント「LOGI NEXT 25 Day1」では、Tebiki(テビキ、東京都新宿区)エンタープライズ営業部で物流業界担当チームリーダーを務める渡邊隆夫氏が登壇し、「物流現場の生産性を最大化する現場教育」をテーマに講演した。
渡邊氏は、Tebikiが提供する動画教育プラットフォームについて「現場の未来を切り開く」というミッションを掲げる同社の中核サービスだと紹介。紙の手順書では伝わりにくい“動き”や“距離感”を動画で可視化できる点を強調し、「正しい作業の“正解”を共有でき、品質のバラつきを抑えられる」と語った。誤出荷や破損、労災の背景には教育の属人化があるとし、「教える側のスキルが違えば品質も揺らぐ。教育方法そのものを標準化することが必要」と述べた。

▲tebikiエンタープライズ営業部(物流業界担当)チームリーダー渡邊隆夫氏
外国人スタッフへの教育でも動画は有効で、Tebikiには字幕の自動翻訳や多言語音声機能が搭載されている。渡邊氏は「ベトナム語字幕で8-9割理解できたという声もある」と話し、現場の多国籍化に対応する基盤としても有用だと説明した。また、安全教育では危険予知トレーニング(KYT)の動画化が進んでおり、実際の現場映像に字幕で危険箇所を示すことで「イラスト教材より臨場感があり、注意喚起につながる」とした。
ただし、動画を作るだけでは教育は定着しないとし、「どの場面で使うのかを設計する“運用シナリオ”が鍵」と指摘。新人受け入れ時の必須動画やラインごとの手順、タブレットを使った教育シーンなど、現場の流れに組み込む具体的設計が効果を高めるという。
学習定着度を測るテスト機能については、「最低限の安全知識を理解しているかを一目で確認でき、個別フォローにも活用できる」と紹介。サッポログループ物流が作業のバラつき抑制やOJT効率化に成果を挙げている事例も取り上げた。
渡邊氏は最後に、「動画はあくまで手段。教育を可視化し、仕組みとして根づかせることが生産性や安全性の向上につながる」と述べ、現場教育DXの重要性を強調した。
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