調査・データアスチュートアナリティカ(インド)は7日、世界の中古・再生ロボット市場に関するレポートを発表した。
同市場は2022年の19億970万ドル規模から、23年から31年までの間に年平均成長率(CAGR)11.5%で成長し、31年には50億8020万ドル規模に拡大すると予測されている。
同社によると、この市場の急成長は、特に中小企業を中心に費用効率の高い自動化への世界的な需要の増加を反映している。高額な新品ロボットに代わる現実的な選択肢として再生ロボットへの関心が高まっている。再生ロボットは、機能性を損なわずに導入できるうえ、最大50%のコスト削減を実現できることから、予算が限られた企業にとって魅力的なオートメーション手段となっている。さらに、認定・テスト済みの再生ユニットを提供するOEMメーカーやサードパーティプロバイダーの存在が、信頼性の確保と導入の促進に寄与している。また、再生ロボットは製品ライフサイクルの延長や電子機器廃棄物の削減に貢献するため、持続可能性や循環型経済の推進にも役立つとされる。
中古・再生ロボットの需要は特に、自動車業界や電子機器・半導体業界、物流・倉庫管理、食品・飲料業界で急増している。物流・倉庫管理では、EC(電子商取引)の拡大に伴い自律走行搬送ロボット(AMR)やロボットパレタイザーの導入が進み、食品・飲料業界でも衛生基準とコスト効率を両立するために包装や資材搬送で活用されるケースが増えている。
地域別では、中国、インド、日本、韓国などの工業化が進むアジア太平洋地域が市場拡大をけん引しており、中小企業の存在や製造拠点の拡大、持続可能な自動化への意識の高まりが成長を後押ししている。北米や欧州でも成熟した自動化環境や再生サービスプロバイダーの存在、産業リサイクル政策の支援により大きな市場シェアを維持している。
今後は労働力不足が続くなかで「インダストリー4.0」を採用する企業が増えるとともに、再生ロボットは自動化ギャップを埋める中心的役割を果たすと予想される。拡張性や迅速な導入、環境に配慮した取り組みへの関心の高まりが市場の成長を支えるとともに、RaaS(ロボット・アズ・ア・サービス)やリースオプションの登場は、多額の設備投資を必要とせず自動化を目指すスタートアップや中堅企業に新たな成長機会を提供すると見られている。
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