調査・データ日本内航海運組合総連合会(内航総連)はこのほど、ことし9月の内航主要オペレーター(58社)の輸送動向調査の結果を公表した。9月の貨物船と油送船による内航輸送量は前年同月比3%減となり、台風15号が上陸した影響で太平洋側を中心に荒天の影響が見られた。貨物船は、燃料(石炭、コークス)や紙・パルプは増加したものの、鉄鋼、原料、雑貨、自動車、セメントの品目で減少で推移した。油送船はケミカル、高圧液化、耐腐食が増加で推移し、黒油、白油、高温液体は減少した。
調査結果によると、貨物船の輸送量は、1745万トンで前年同月比1%減、前月比では8%増となった。油送船の輸送量は、769万6000トン(キロリットル)で前年同月比5%減、前月比で4%減となった。
貨物船輸送量を品目別に見ると、鉄鋼は4%減であり、荒天の影響は例年並みとなったものの前年同月と比較すれば需要の減少が見られた。原料(石灰石・スラグ)は1%減で、原料全体で微減の結果となった。燃料(石炭、コークス)は15%増となり、石炭、コークスともに増加が見られた。石炭は火力発電所向けの輸送が9月に入っても猛暑が続いたため好調となった。紙・パルプは19%増で紙、木材は増加が見られた。とくに電力向けのバイオマス燃料としての木材チップ輸送が猛暑に伴い活況を呈した一方で、パルプは減少となった。
雑貨は3%減で、引き続き北海道航路の農産品の輸送が見られた。コンテナについては横浜本牧埠頭の一部工事による滞船が原因となり、輸送面としてはマイナスが続いている。自動車は2%減となり、販売台数の減少のほか、製品出荷の遅延や停止が見られた。セメントは5%減で、輸送需要は低調となっている。
一方、タンカー輸送量を品目別に見ると、黒油は12%減となり、9月に入っても猛暑となったが発電所向けの輸送需要は減少となった。白油(ガソリン・灯油・軽油)は6%減で冬季に向けて灯油の備蓄輸送は増加が見られたが、入渠船や大型タンカーの運航停止から減少となった。ケミカルは11%増であり、キシレン、トルエン共に順調な輸送となり増加で推移した。
高圧液化は8%増で、エチレン以外のLPG(液化石油ガス)を含む品目が増加で推移した結果、高圧液化全体で前年同月水準を上回った。高温液体は16%減であり、アスファルトの製油所間転送が減少したため、高温液体全体を下押しした。耐腐食は5%増となり、苛性ソーダは旺盛な輸送に支えられ、耐腐食全体を押し上げた。
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