荷主大塚化学(大阪市中央区)は18日、クラレ(東京都千代田区)のアクリル系ブロック共重合体「クラリティ」に関する知的財産権の一部と製造技術を導入し、徳島工場に新たな機能性ポリマー生産プラントを建設すると発表した。新プラントは2027年5月の稼働開始を予定しており、同社が展開する高機能ポリマー事業の強化を図る。
導入する技術は、クラレが長年培ってきたリビングアニオン重合技術で、分子量分布の極めて狭い高純度なアクリル系ポリマーの製造が可能。透明性が高く、軟質から硬質まで幅広い特性を持つため、粘着剤や成形材料、各種添加剤に活用されている。一方、大塚化学は既に独自のリビングラジカル重合法(TERP法)による「TERPLUS」を展開しており、今回の技術導入により、2種類の制御重合技術を保有することになる。
新設される第2プラントは、地上4階建てで延床面積は1547平方メートル。従来の有機溶媒系ポリマーのほか、水系ポリマーの製造にも対応することで、環境対応型製品の需要にも応える。液晶ディスプレイ向け顔料分散剤やインクジェットインクの分散剤、さらには医療分野の精製用途まで、幅広い分野での応用が期待されている。
国内では環境配慮型材料への転換や半導体産業の高度化などにより、高機能ポリマーへのニーズが高まっている。今回の新プラント建設と技術導入は、同社の技術的多様性と供給能力を向上させるものであり、次世代製品開発への貢献が見込まれる。大塚化学は今後も顧客ニーズに即した製品提案を進め、持続可能な産業社会の実現に寄与していく方針だ。
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