荷主アスクルは19日、ランサムウェア攻撃によるシステム障害の復旧状況を公表した。法人向けサービス「ASKUL」「ソロエルアリーナ」を中心に段階的な再開が進む一方、通常サービスの全面復旧には依然として至っていない。
同社は事業所向けの業務継続を最優先に、ファクスによる注文受け付けと手運用の出荷トライアルを継続している。10日には対象商品を230アイテムへ拡大し、出荷拠点も7拠点体制に増やしたものの、出荷能力は平常時の1-2割にとどまる。12日にはソロエルアリーナでのウェブ注文を再開し、メディカル品477アイテムの単品出荷にも対応した。
加えて、文具・日用品・PC周辺機器など既存の直送品200万アイテムに加え、従来はアスクルが在庫管理していた6000アイテムを直送品として提供する暫定運用を開始。物流センターを介さない供給ルートを広げることで、障害下でも供給維持を図る取り組みを進めている。これらは12日以降、順次再開されている。
一方、ASKULウェブサイトでの通常注文再開は12月上旬以降とし、倉庫管理システム(WMS)を使用した通常出荷への移行にはなお時間を要する見通し。消費者向けの「LOHACO」や印刷サービス「パプリ」の全面再開時期も未定。SOLOELなどの関連サービスは通常運用を維持しているが、アスクルをサプライヤーとする出荷は引き続き停止中だ。
情報流出への対応も継続しており、ASKUL LOGIST(アスクルロジスト、東京都江東区)が受託する3PL業務データの流出可能性について調査と通知を進めている。対象の顧客・取引先には順次連絡しており、個人情報保護委員会への報告や警察との連携も進めている。
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