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国内企業の海外進出率18.3%、中国の重要度低下

2025年11月20日 (木)

調査・データ帝国データバンク(TDB、東京都港区)は20日、国内企業の海外進出率は18.3%にとどまり、コロナ禍前より6ポイント低下したとするレポートを公表した。進出先のトップは中国だが、重要度の低下は見られ、ベトナムやインド、インドネシアへの関心が高まっている。

同社は国内の2万5111社を対象に、先月20日から31日までインターネットを通じて、海外進出に関するアンケートを実施した。有効回答は1万427社(41.5%)だった。

現在、自社が海外に進出しているかどうか、複数回答で尋ねたところ、生産拠点や販売拠点など直接的に進出している企業は9.5%、業務提携や輸出など間接的に海外進出している企業は13.8%だった。直接・間接のいずれかの形で海外進出をしている企業は18.3%にとどまり、「進出していない」は78.7%と8割近くに上った。

コロナ禍前の2019年に同社が行った同様の調査では、海外進出している企業は24.7%だったが、コロナ禍や地政学的リスクなどを受け、6.4ポイント低下した。

しかし、従業員数「1000人超」の企業では「海外進出あり」が59.0%に上り、企業規模が大きくなるのに比例して、進出率が高くなった。

海外事業の内容をみると、直接的な進出では「現地法人の設立」が4.8%で最も高く、次いで「生産拠点(支社・支店含む)」の4.0%、「販売拠点」3.8%、M&Aなどの「資本提携」1.1%が続いた。

間接的な進出では、商社や取引先を経由した「間接的輸出」が7.9%でトップとなり、次いで「直接輸出」が5.1%、生産委託などの「業務委託」3.8%、「業務提携」1.9%が続いた。

直接・間接のいずれかの形で海外進出をしている企業1908社に対し、生産拠点として最も重視する進出先はどこか尋ねたところ、中国が16.2%で最も高かった。次いでベトナムの7.9%、タイが5.3%、台湾が2.7%などアジア諸国・地域が上位を占めた。19年調査と比較すると、上位5か国・地域に変化はなかったが、中国の重要度は大きく低下した。

販売拠点として最も重視する国・地域でも、中国が12.3%でトップとなり、次いで米国の8.2%が続いた。タイ6.2%、台湾5.3%、ベトナム5.2%も高かった。19年調査との比較では、中国の落ち込みが目立つ一方、台湾の存在感が増し、インド(2.5%)を重視する企業も増加している。

今後、重視する進出先として検討する可能性がある国・地域について3位まで上げてもらい、順位ごとにポイントを付けて集計したところ、生産拠点として最もポイントが高かったのは「ベトナム」の4605ポイントで、次いで、中国の2707ポイントが続いた。タイ(2138ポイント)、インドネシア(1806ポイント)、台湾(1450ポイント)、インド(1259ポイント)が上位となった。

販売拠点では、中国が3130ポイントで最も高く、アメリカの3043ポイントが僅差で続いた。ベトナム(2462ポイント)や台湾(2223ポイント)、タイ(1959ポイント)、インド(1608ポイント)、インドネシア(1469ポイント)などもポイントが高かった。

トランプ関税に対する各国の交渉結果は、日本企業の海外進出にどのような影響があるのかを尋ねたところ、進出先の見直しや撤退など「非常に大きな影響がある」と見込む企業は13.5%だった。コスト増や現地調達の見直しなど「ある程度の影響がある」は42.5%で最も多かった。「影響は限定的」は16.5%だった。一方、「ほとんど影響はない」は4.4%にとどまり、多くの企業で海外進出に対して何かしらの影響が生じると認識していた。

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