荷主明太子の製造などを手がけるヤマトバイオレッツ(福岡県大野城市)は25日、医療分野で細胞・臓器保存に用いられるセルアライブシステム(CAS)冷凍技術を水産加工に応用し、北海道知床産の秋サケ筋子を「生」の状態で急速冷凍した新商品の全国配送・通販を今月から開始したと発表した。
CAS冷凍は、磁場と電磁波を利用して細胞を傷つけずに凍結する技術で、医療分野では臓器移植用の細胞保存などに採用されている。解凍後も細胞組織がほぼ損傷せず、「生」の状態に近い品質を保てる。
従来の冷凍方法では、氷の結晶が細胞膜を破壊し、回答時に多量のドロップが発生するため、筋子のプチプチとした食感が失われ、うまみも流出していた。しかし、CAS冷凍では、細胞が傷つかず、ドリップもほとんど出ないため、凍結前と同等の食感やうまみを味わえる。
ことしの秋サケは記録的な不漁で、筋子の数量も限られるが、CAS冷凍技術で、秋鮭の卵膜が程よく柔らかい「張りの頂点」を迎えた9月末から10月初旬の筋子を長期保存できるようになった。同社は採取された筋子をできる限り早く福岡市博多区の工場に直送し、即座に凍結している。
販売は同社のオンラインショップで行っており、数量限定販売。価格は100グラム3300円(税込)からとなっている。
同社は明太子メーカー、ふくや(福岡市博多区)の100%子会社で、明太子製造の技術を生かし、CAS冷凍技術を水産加工へ本格応用することに成功した。
同社は「北海道の旬の魚介を、生に近い状態で食卓に届けたいとプロジェクトに取り組んだ。ことしは記録的な不漁となったが、これまで産地でしか味わえなかった生の筋子の味を全国に届けられるよう、数量限定での販売を決めた」としている。
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