荷主三菱重工業は10日、総合研究所長崎地区のパイロットプラントにおいて、蒸気加熱方式によるアンモニア分解で純度99%の水素製造に成功したと発表した。同方式によるパイロットスケールでの水素製造は世界で初めてとしている。
今回使用した独自のアンモニア分解システムは、蒸気や排ガスを加熱源とする点が特徴で、バーナー燃焼熱を用いる従来方式と比べ、より低温での運転が可能となる。これにより運転コスト削減につながるほか、燃焼炉が不要なためシステムの小型化も図れる。原料アンモニアを分解し、純度99%の水素を得られたとしている。
アンモニアは水素を大量かつ安全に輸送・貯蔵できる水素キャリアとして注目されている。同社は今回の成果を踏まえ、水素需要地近くに設置可能な中規模・分散型アンモニア分解システムの開発を進める。また、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業において、日本触媒、北海道電力とともに関連技術の開発を加速する。

▲アンモニア分解水素製造装置のイメージ図(出所:三菱重工業)
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