調査・データSDKI Analytics(SDKIアナリティクス、東京都渋谷区)は10日、世界の商用車リース市場に関するレポートを発表した。レポートによると、同市場の規模は2025年に452億ドルと評価され、その後、年平均成長率(CAGR)4.8%で成長。35年に768億ドルへ拡大するとの見通しを示している。
市場拡大を支える主因は、世界的なサプライチェーンの不安定化を背景にフリート運用で求められる柔軟性の高まりだという。地政学リスクやパンデミック、資材不足による混乱が続くなか、輸送事業者は短期契約や季節需要への対応が容易なリースを活用する傾向が強まっている。混乱に備えた条項を組み込んだ新しいリース契約も普及し、事業継続性とリスク対策の手段として位置付けが高まっている。
また、金融イノベーションがリース普及を後押ししている点も市場成長の要因としている。グリーンボンドやリース債権の証券化、フィンテックを活用したマイクロリースなど新たな資金調達モデルが登場。アフリカでは、中小企業向けファイナンスに占めるリース比率が10年前の15%未満から35%超へ上昇したという。
一方、ライドシェアやカーシェア、サブスクリプション型のモビリティサービスが拡大するなか、特に都市部では商用車の長期リース需要が抑制され、今後の市場成長の制約要因になる可能性が指摘された。
地域別ではアジア太平洋が世界市場の67%を占める最大市場となり、予測期間中に4.9%の最高CAGRを記録すると見込まれる。電気商用車の導入を各国が義務化する動きが追い風となり、国際エネルギー機関(IEA)によれば、23年の世界の新規電気自動車登録台数の6割を中国が占めている。特に電気バスや商用トラックが販売の中心となり、同地域のリース需要を押し上げている。
日本市場も費用対効果の高さや運用プロセスの軽減を背景に拡大が見込まれ、メンテナンス込みのフルサービス型リースの需要が増加している。政府は小型・中型電気トラックの高額な初期費用や残存価値リスクを抑えるための支援を進めており、リース契約の普及に寄与しているという。
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