行政・団体国土交通省は11日、トラック運送業の取引適正化を目的とする「トラック運送業における下請け・荷主適正取引推進ガイドライン」を改訂した。2025年4月に施行される改正貨物自動車運送事業法(トラック法)と、26年1月に施行される「中小受託取引適正化法」(取適法)と「受託中小企業振興法」(振興法)の内容を反映したもので、契約・支払い・委託構造に関わる規定が大幅に見直された。
今回の改訂では、法改正により運送契約の書面交付が義務化されたことを受け、従来の「書面化推進」という表現を削除し、第12条・24条で規定された書面交付義務に沿う内容へ修正した。また、再委託先のコストを考慮する健全化措置や、委託次数に関する努力義務も追記され、委託構造の透明性向上が求められる。
利用運送手数料については、下流の中小運送事業者のコスト確保を重視した記述へ改めた。標準貨物自動車運送約款の改正内容(書面交付、荷待ち・荷役等の明確化)も反映。さらに、荷主への「働きかけ」を「是正指導」に改め、トラック・物流Gメンによる指導強化の枠組みを明確にした。
一方、取適法・振興法の施行に伴い、用語は「親事業者」から「委託事業者」、「下請事業者」から「中小受託事業者」などへ変更。適用基準には従業員数基準が追加され、適用範囲が広がる。
支払い方法に関する改正は特に影響が大きい。手形支払いは全面禁止となり、電子記録債権や一括決済方式も「支払い期日までに現金化できない場合」は禁止対象となる。振込手数料の受注者負担も代金減額とみなされ、禁止行為に該当する。また、価格改定協議に応じず、一方的に対価を決定する行為が新たに禁止事項として追加された。
さらに、販売・製造委託等に付随する運送を対象とする「特定運送委託」が取適法の適用対象となり、ガイドラインでも関連記述が更新された。
制度改正が相次ぐ25-26年に向け、ガイドラインは実務に直結する内容へと大幅に改訂された。運送事業者・荷主企業の双方に、契約・支払い・委託管理の見直しが求められる。
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