国際欧州委員会は17日、欧州連合(EU)と英国の間で、ジブラルタルを対象とする新たな協定について、署名、暫定適用、締結に向けた一連の提案を採択した。EUと英国の関係は2020年に署名、21年に発効した通商・協力協定(TCA)を軸に整理されてきたが、ジブラルタルは同協定の適用範囲外とされてきた。今回の合意により、その法的空白を補完する。
協定の最大の柱は、スペインとジブラルタル間を行き来する人と物の移動に関する物理的障壁の撤廃。一方で、シェンゲン圏、EU単一市場、関税同盟の枠組みは完全に維持するとしており、越境自由化と制度的管理の両立を図る内容となっている。日々1万5000人が往来する地域特性を踏まえ、住民生活と経済活動の安定性を高める狙いがある。
物流の観点では、スペイン側との検問や通関に伴う停滞が緩和されることで、域内配送や小口貨物のリードタイム短縮が期待される。とりわけ食品や日用品など時間依存度の高い貨物では、サプライチェーンの信頼性向上につながる可能性がある。一方で、EUは関税同盟と単一市場の保全を強調しており、物流事業者には引き続き制度順守が求められる。
今後の手続きとして、提案はEU理事会に送付され、署名と正式締結に向けた手続きが進められる。欧州議会の同意も必要となる。政治合意自体は25年6月に、欧州委員のマロシュ・シェフチョビッチ氏、スペイン外相、英国外相、ジブラルタル首相の間で形成されており、法的文書は同年12月に最終化された。
EU側は、今回の協定が地域全体の法的確実性と予見可能性を高め、EUと英国の協調関係を補強すると位置付ける。英国のEU離脱(ブレグジット)後も越境経済が密接に絡むジブラルタルにおいて、制度設計が物流と人流に与える影響は大きく、今後の実装段階での運用が注目される。
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