調査・データフリーは5日、中小受託取引適正化法(取適法)に関する実態調査の結果を公表した。発注側、受注側ともに法改正への認知が十分に進んでおらず、従来の取引慣行が意図せず違反リスクにつながる可能性があることが分かった。
調査は3月26日から30日にかけ、全国の発注側担当者500人、受注側担当者500人を対象にオンラインで実施した。取適法について「知らない」と回答した割合は、発注側で33%、受注側で45.4%に上った。フリーは、施行から3か月が経過しても、現場への周知が十分に行き届いていない実態があるとみている。
取適法は、従来の下請法を改正して2026年1月に施行された法律で、中小事業者がサプライチェーン上で不当な負担を強いられることを防ぐ狙いがある。発注内容などを書面または電磁的記録で明示する義務を定めるほか、受注側への振込手数料負担や手形払いなどを禁止している。
調査では、26年1月以降に業務委託契約書を締結せず、口頭やメールだけで取引した経験があるとの回答が、発注側で28.6%、受注側で30.6%に上った。理由として、発注側では「契約書なしでよいと提案した、または言われた」、受注側では「取引先の手間を減らしたかった」が多かった。長年の取引関係や相手への配慮が、結果として不透明な契約実務を残している。
支払い面でも課題が残る。発注側の19.6%が取引先に振込手数料を負担してもらったことがあると回答し、受注側では34.8%が負担したことがあると答えた。理由は、発注側では「慣習的に取引先が負担しているため」、受注側では「取引先へのサービスとして実施」が多かった。
また、手形払いについても、発注側の14.4%、受注側の17.2%が2026年1月以降に利用経験があると回答した。対象取引では紙の手形による支払いが一律で禁止されており、電子記録債権であっても、受注者が支払期日までに満額を現金化できないものは同様に禁止対象となる。
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