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CHロビンソン、米トラック予測引き上げ

2026年3月6日 (金)

調査・データCHロビンソン(米国)は5日公表の3月グローバル市場レポートで、2026年の米国トラック市場のスポットレート(随時契約の運賃)予測を引き上げた。長距離ドライバン(一般的な箱型トレーラー)は従来の前年比10%増から同12%増に、冷蔵バンは同8%増から同11%増にそれぞれ修正した。冬の暴風雪と、ドライバー不足を背景にしたキャパシティーの引き締まりが重なったことが理由だ。(編集長・赤澤裕介)

暴風雪と供給縮小で上振れ、底値も修正

米国では例年、年明けから春先にかけてトラック運賃が一時的に下がる。しかし今年は各地で冬季暴風雪が続き、この季節的な軟化が起きなかった。1-2月のスポットレートは前年を上回り、荷主が契約キャリア以外に頼る頻度も増えた。

同社は、上方修正幅の2ポイントのうち半分は暴風雪の影響、残りはキャパシティーのタイト化が見込みより進んだことによるとしている。3月に入ってもレートが高止まりしているため、ドライバンのマイル当たり底値見通しも従来の1.65ドルから1.72ドルに引き上げた。26年後半の見通しは変えていない。

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平ボディトレーラーを使うフラットベッド市場はさらにきつい。建材がゆるやかに伸びているところに産業資材や金属貨物の動きが加わり、暴風雪が重なった。2月下旬には「ロード・トゥ・トラック比率」(荷物1件に対し手配できるトラックの割合を示す指標で、数字が大きいほど車両が足りない)が60対1を超えた。これは22年半ば以来の高い水準だ。

同社は、3年以上にわたるキャリア数の減少が影響を増幅していると指摘した。車両が構造的に減っているため、貨物がわずかに動いただけでも市場への影響が大きくなる。フラットベッドのスポットレートは前年比12%超の上昇だ。天候要因が落ち着いても、建設繁忙期にかけてタイト感が残る見通しだとした。

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同社が管理する大口荷主の契約輸送データにも変化が表れている。「ルートガイドデプス」と呼ばれる指標がある。荷主はあらかじめ複数のキャリアに優先順位をつけて契約しているが、第1候補が断った場合に第2、第3のキャリアへどこまで回す必要があるかを数値化したもので、1.0なら全て第1候補で運べている状態、2.0を超えると市場がかなりタイトだったことを意味する。

2月の北米全体のルートガイドデプスは1.39で、前月から上昇した。600マイル(960キロ)超の長距離に限ると1.53に達し、前年同月の1.37から悪化が目立つ。逆に400マイル(640キロ)未満の短距離は1.23と、長距離ほどの逼迫にはなっていない。

地域別では、中西部と北東部が前月比でそれぞれ7.2%、6.2%悪化した一方、西部は2%改善した。暴風雪の影響が地域によって明暗を分けた形だ。

▲数値はロード・トゥ・トラック比率(Load-to-Truck Ratio)(クリックで拡大)

レポートは、こうしたレート上昇の底流にCDL(商用運転免許)規制の段階的な厳格化があるとも指摘した。3月16日に施行される新規則で、米国の永住権を持たないドライバーがCDLを取得・更新できるビザの種類がH2A(農業)、H2B(非農業)、E2(投資家)の3つに絞られる。これまで対象だったDACA(幼少期に入国した不法移民の在留資格)受給者や難民は取得も更新もできなくなる。

連邦の試算では5年間で19万4000件のCDLが影響を受ける。これだけで市場が一変するわけではないが、ドライバーの賃金上昇を通じてキャリアの供給をじわじわ絞る方向に働く。同社も、英語力基準の厳格化と合わせ、キャリア・ドライバーの供給圧力として積み重なっていくとの見方を示した。

米国のトラック市場は数年にわたる運賃下落サイクルが続いてきたが、その間もトラックの運行コスト──燃料、保険、車両価格──は上がり続けた。この「ねじれ」がようやく解消に向かいつつあるのが今の局面だ。日系荷主にとっても、北米の陸上輸送コストが本格的な上昇期に入る可能性を織り込んでおく必要がある。

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