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NX総研、関税と対中規制で貨物輸送減少見込み

2026年4月9日 (木)
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調査・データNX総合研究所(東京都千代田区)が8日まとめた「2026年度の経済・貨物輸送見通し(改訂)」によると、国内貨物輸送量は前年比0.3%減と5年連続のマイナスとなる見通しだ。一方で建設関連貨物を除く一般貨物では同1.0%増とプラス転換が見込まれ、輸送構造の変化が鮮明になっている。

最大の下押し要因は、米国のトランプ関税政策と中国による対日輸出規制強化だ。外貿コンテナ輸出は26年度も1.1%減と3年連続のマイナスが見込まれる。米国向けでは関税発動前の前倒し輸送の反動減が残るほか、工作機械などに対する追加関税の影響が継続。さらに中国側の輸出規制強化が部材供給を制約し、日本の輸出製造活動を間接的に抑制する構図となっている。

品目別では、自動車関連が引き続き低調だ。EV(電気自動車)市場の減速や半導体供給制約の影響に加え、関税による需要減退が重なり、荷動きの回復は限定的にとどまる。一方で機械類については、サプライチェーン再編に伴う新規需要が一部で期待されるものの、全体として輸出は力強さを欠く展開となる。

これに対し輸入は、26年度も2.8%増と3年連続のプラスが見込まれる。中国の輸出規制や地政学リスクの高まりを背景に、日本企業が調達先の分散や在庫積み増しを進めていることが主因だ。国内回帰や生産拠点の再構築も進み、部品・部材や機械類の輸入は底堅く推移する。低価格品の流入も続き、輸入主導の物流需要が拡大する構図となっている。

国内輸送では、消費関連貨物が1.0%増と堅調を維持し、生産関連貨物も1.1%増と持ち直す。一方、建設関連貨物は2.2%減と低迷が続き、全体の輸送量を押し下げる。輸送機関別では営業用トラックが0.4%増と5年ぶりに増加へ転じる一方、鉄道は1.3%減、国内航空も5.1%減と減少が見込まれる。

国際航空貨物は半導体関連需要に支えられ輸出入ともに増加基調を維持するが、太平洋・欧州航路では関税や地政学リスクの影響が残る。特に米国の通商政策と中国の輸出管理強化は、従来の効率重視のサプライチェーンに対し、再編と分断の圧力を同時にかけている。

26年度は、輸出停滞と輸入拡大が併存する非対称な物流構造が続く見通しだ。企業はコスト最適化に加え、供給途絶リスクへの備えを重視せざるを得ず、調達・在庫・輸送の設計見直しが進む。関税と規制が主導する構造変化のなかで、物流は単なるコストセンターから、経営リスクを吸収するインフラとしての役割を一段と強めている。

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