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国交省、紅海・湾岸リスク回避へ代替ルート実証

2026年5月25日 (月)

行政・団体中東情勢や自然災害などのリスクが高まるなか、国際物流の多元化と強靱化を図るため、国土交通省は25日、情報共有会合を開催し、物流ネットワークの代替手段や分散化に向けた実証輸送の結果を報告した。

同省物流・自動車局国際物流室の牧野武人室長は冒頭、予測困難な事態が相次ぎサプライチェーンの脆弱性が高まっていると指摘。実証輸送の取り組みで代替ルートの実態が判明した成果を強調する半面、コスト増や現地調整などの課題も浮上したと分析した。

▲国土交通省物流・自動車局国際物流室の牧野武人室長

有事のルート開発にとどまらず、平時からルートの分散化を進める方針を示し、ビジネスニーズに応える知見の活用を企業に求めた。

会合では実証に参加した3社が結果を報告した。住友倉庫は、神戸港からオマーンを経由しサウジアラビアのダンマームに至るルートを検証。紅海やペルシャ湾の航行制限を避ける現実的な選択肢となる。当初はオマーンのサラーラ港での陸揚げを視野に入れていたが、同社の柴飛志氏は「フリーゾーン倉庫の事業者が限られ手配できなかった」と現地の課題を説明した。

▲住友倉庫の柴飛志氏

代替措置としてソハール港へ保税輸送し、コンテナからトラックへ積み替えたうえで、ルブアルハリ砂漠を抜ける2000キロの陸送を実施した。

同ルートは補給ポイントが非常に少ない環境だが、全線舗装路のため輸送時の衝撃は検知されなかったという。国境での通関も事前の予備申告を駆使し、3時間で通過した。一方で、日中と夜間の激しい温度差による結露対策や、海上と陸上を組み合わせることによるトータルコストの大幅な増加が今後の検討事項として挙げられた。現在は船会社の対応によりコンテナのまま陸送できる体制も整いつつあるという。

また、GWGロジスティクス(東京都港区)はウズベキスタンから中国の上海を経由し大阪へ輸送するルートを検証。中国の春節による遅延などを除けば20日で輸送できると試算し、日本への便数が多く運賃も安い利点をアピールした。

本田技研工業は東アジアの寸断リスクを想定し、RORO船を活用して豪州を経由するタイ向けルートの検証結果を共有した。

最後に国土交通省の牧野室長は、今年度の事業として、中央回廊カスピ海ルートに関する実証輸送の追加募集を周知した。前回はカスピ海の荒天で多大な待ち時間が発生した経緯があるため、今回は気候の穏やかな時期に再度実施する方針を宣言し、会合を締めくくった。(菊地靖)

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