ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

熱中症対策義務化1年、水分補給偏重が課題

2026年5月25日 (月)

調査・データクラシエ薬品(東京都港区)は25日、職場での熱中症対策に関する実態調査の結果を公表した。2025年6月に労働安全衛生法に基づく職場の熱中症対策が義務化されてから、6月で1年となる。調査は26年4月7日、全国の30代から60代の働く男女400人を対象にインターネットで実施した。対象には製造・生産現場、配送・ドライバー、倉庫・物流センター、建設・土木、農林水産業など、高温環境や屋外作業に関わる職種が含まれる。

職場における熱中症対策義務化について、「理解している」「聞いたことがある」と答えた人は62.8%だった。このうち、対策への意識が変化した人は49.8%にとどまり、制度の認知は広がりつつある一方、行動変化にはなお差があることが示された。

実践している熱中症対策では、「こまめな水分補給」が71.0%で最多となり、「塩分・ミネラルの補給」が43.5%で続いた。何らかの対策を行っている人は85.2%に上り、基本的な対応は広がっている。ただ、対策内容は水分・塩分補給に偏る傾向があり、日常の体調管理、服装、身体冷却、作業環境の改善などを組み合わせた多層的な対策には課題が残る。

(クリックで拡大、出所:クラシエ薬品)

自由回答では、「対策をしても暑さが厳しい」「いくら対策をしても暑い」といった声のほか、「作業中に水分補給ができない」「自由なタイミングで対策ができない」とする指摘もあった。物流現場では、庫内作業、荷役、配送中の待機、屋外での積み下ろしなど、作業を中断しにくい場面が多い。個人の注意や携行品だけでは限界があり、休憩導線、補給タイミング、空調・冷却設備、作業計画を含む運用設計が問われる。

調査では、睡眠不足や食欲低下といった夏場の体調面の課題も挙がった。厚生労働省の発表では、25年の職場における熱中症による死傷者数は前年比で4割増加したとされる。気象庁が26年4月に最高気温40度以上の日を「酷暑日」と定義するなど、暑熱リスクは一段と強まっている。熱中症対策を現場任せの注意喚起にとどめず、作業中断のしやすさや休憩導線、待機時間の削減まで含めた運用設計として見直すことが、夏場の安全確保と安定稼働の両面で重要になる。

酷暑物流、現場任せの限界

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com

LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。

ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。