調査・データ日本ロジスティクスシステム協会(JILS)は29日、「ロジスティクスに関わる戦略とケイパビリティについての調査報告書」を公表した。物流危機やサプライチェーン混乱、物流効率化法への対応を背景に、荷主企業におけるロジスティクスの経営上の位置づけや戦略、組織能力、財務・ESGパフォーマンスとの関係を調べた。
調査は2025年11月13日から26年1月30日まで実施し、121社から有効回答を得た。分析では、経営層の意識やロジスティクス戦略、ロジスティクス・ケイパビリティ、ESGパフォーマンス、財務パフォーマンスの関係を検証した。
結果では、ロジスティクス・ケイパビリティ総合指標とESGパフォーマンス総合指標の間に、明確な正の相関が確認され、ロジスティクス能力の水準が高い企業ほど、ESGパフォーマンスの自己評価も高い傾向があった。一方、ロジスティクス・ケイパビリティと財務パフォーマンスとの直接的な関連は確認されなかった。個別項目では、サステナビリティ対応能力とESGパフォーマンス総合指標との関連が最も強かった。
補足分析では、デジタル・IT(DX)を重要機能領域として選んだ企業のうち、ロジスティクス重視度が高い企業群でのみ、売上高利益率や東京商工リサーチ(TSR、東京都千代田区)評点が有意に高い傾向がみられた。JILSは、DXや資本効率、イノベーションなどの経営戦略を財務成果に結びつけるには、ロジスティクスを単なる現場機能ではなく、経営戦略と接続した基盤機能とすることが重要である可能性を指摘している。
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